ステーブルコインに立ちはだかる新たな金融商品「トークン化MMF」とは
利回り付きステーブルコインをめぐる規制の不透明性により、規制を受けたトークン化マネーマーケットファンド(MMF)のような金融商品が脚光を浴びるようになったと暗号資産カストディを手がけるプロメテウム(Prometheum)の共同CEO、アーロン・カプラン(Aaron Kaplan)氏は述べた。 ◇◇◇ ステーブルコイン市場にとって、今年は特筆すべき1年となった。11カ月連続で資金流入となり、時価総額は史上最高の1710億ドル(約25兆6500億円、1ドル150円換算)に達した。あらゆる人たちが参入した。ステーブルコインに混乱をもたらす可能性がある業界さえも。
発行者にとってのステーブルコインの魅力
Visa(ビザ)は、銀行がステーブルコイン発行のためのプラットフォームを立ち上げた。スペインの銀行BBVAは最初のユーザーのひとつだ。2023年にスタートした米決済大手ペイパル(PayPal)のステーブルコイン、PYUSDは時価総額が10億ドルに達し、最近、初めてステーブルコインを使った企業間決済を行った。英フィンテック企業のレボリュート(Revolut)は独自ステーブルコインを発行するとの噂がある。また、ストラプイ(Stripe)はステーブルコイン決済プラットフォームを11億ドルで買収すると伝えられた。 こうした動きは、ステーブルコインが発行者にとって、きわめて有用で、有益であることを示している。ステーブルコインは、安定した価値保存手段であり、特に送金、取引の担保、伝統的金融とブロックチェーンネットワーク間の取引決済のための支払い手段および商取引手段として機能する。ステーブルコインの裏付け資産は多くの場合、米国債や他の短期債権であり、発行者に安定した利回りをもたらす。 テザー社(USDTを発行)やサークル社(USDCを発行)はこうした利益を手にしているが、イノベーティブな新規参入企業はシェア獲得のために、利益をユーザーに還元している。