酒の飲み過ぎで「全臓器が炎症を起こす」可能性!健康診断で注視すべき数字の見方を解説
オーシャンズ世代にとって、年々気になってくるのが健康診断の数値だが、「気になっているけれど……」と見て見ぬふりをしていないだろうか。ただ、酒好きは要注意。ある日突然「お酒をやめてください」ということになりかねないからだ。
酒と長く付き合うためには、健康診断で何をチェックしたらいいのか。垣渕洋一医師に話を聞いた。
アルコールは全臓器で炎症を起こす可能性あり!
ーー酒飲み同士で、健康診断の話になることがあります。よく聞くのはガンマGTPですが、他に気をつけた方がいい数値はありますか? まず最初にお伝えをしておきたいのは、アルコールは、頭のてっぺんから足のつま先まで、全ての臓器で炎症を起こす、臓器障害の可能性があることを知っておいてください。 ――全部ですか!? そうです。炎症が肝臓に起これば肝炎、膵臓で起これば膵炎、筋肉に起これば横紋筋融解症となります。 その中で、いちばん有名なのが肝炎だということです。 肝炎にはいろいろな種類があって、ウイルス性の肝炎、処方薬などによる薬剤性の肝炎、脂肪肝などがあるのですが、アルコール性の肝炎で、数値が特異的に上がるのが、先ほど名前が出たガンマGTPです。 検査会社によって正常値は若干変わるのですが、当院だと男性は80以下、女性は30以下が健康なので、大きく超えるようであれば要注意ですね。 ただ、ガンマGTPが上がらない人もいるので、お酒を飲む方はASTとALTの値もチェックしておきましょう。
――ガンマGTPが低くても、ASTやALTの値が高ければ、肝炎を疑った方がいいということですか? そうですね。この3つの値は必ずしも比例するとは限らないので、どれかが突出して高いようであれば、検査をした方がいいでしょう。 肝炎の値が特に重視されるのは、肝臓には痛みを伝える神経繊維が通っていないからです。つまり重症になっても痛みがないので、自覚をしにくい。肝硬変や肝がんなどになる前に、早期発見・治療することが大切です。