酒の飲み過ぎで「全臓器が炎症を起こす」可能性!健康診断で注視すべき数字の見方を解説
――とはいえ、いきなり断酒というのはやっぱり辛いです……。 なので、飲酒外来のときは、飲んでいる量をアルコール量に換算するとともに、どんな飲酒問題が起こっているのかを聞き、今後どうしたいのかを聞く、オーダーメイドで治療をするんですね。 例えば100g飲んでいた方が、60gに減らすだけで病気が良くなることもあるわけです。アルコールの害というのは個人差があるので、一概には言えないところがありますから、お酒を減らすことはあくまでも手段であって、それによって何をしたいのかを考えることのほうが実は大切です。 糖尿病をコントロールしたいのか、肝炎を治したいのか、ゴールを決めるようにするといいですよ。 ――目標を設定せずに、闇雲に断酒をしても、失敗する可能性があるということですね。 その通りです。大事なのは、アルコールは薬物であるということ。例えば医師から薬を処方されたときに、副作用などを気にするじゃないですか。アルコールもそれと一緒で、どんな利点があって、どんな健康障害があるのか、両方把握したうえで、自分の健康にとって適切な量はどのくらいかを知っておくことが重要だと思います。 ◇ まずは自分の健康状態と酒の量を把握して、いつまでも楽しく酒と付き合いたいものだ。 林田順子=取材・文
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