【生理痛の“親ブロック”】他人と比べず「生活に支障があれば病気」…中高生の婦人科通院を妨げる“親の思い込み”解消へ
■「生活に支障があれば病気」人と比べる必要はない
片山記者 「産婦人科医の高尾美穂先生が生理と生理痛のメカニズムや、月経困難症の対処法などについて説明するセミナー、その後にCLAIR.の進行で『子どもが生理痛で困っていたら保護者としてどうしますか?』というようなことを考えるワークショップ、この2部構成でした。全体的に、昔とは考え方が変わってきていることを意識した内容になっていたと思います」 「例えば、『今は生活に支障があれば、それは“月経困難症”という病気ですよ』と。『お母さんたちも生理痛がひどくて今日は会社行きたくないなとか、家事したくないなという日があるでしょう。娘さんたちも今日はつらくて学校へ行きたくない日があるんですよね。もうそれは生活に支障が出ているという状態で、病気だ』と、そういう話がありました」 庭野解説委員 「『経血が人と比べて多いのか』というと特に若い女性はわからないみたいですけど、『何か不具合があるということは病気なんだ』という考え方が最近出てきていますよね」 片山記者 「また、婦人科の受診のハードルとして、10代の子を内診台に上げるのは不安だと思うお母さんも多いと。けれども、今は10代の子にいきなり内診はしないので、生理痛がひどい場合は子宮内膜症といった病気が潜んでいる場合もあるので、まず話をするだけでも受診をしてみてはという話もありました」 庭野解説委員 「お腹の上から超音波をやるとか、症状をお医者さんが聞いてくださるとか、そういったこともありますもんね」
■PMSの症状を抑えられるが…広がらない低容量ピル
片山記者 「CLAIR.が事前に生徒たちに行ったアンケートでは、『生理痛が学校生活に悪い影響を与えたことはありますか?』という質問に対して、生徒の66%が『悪い影響があった』と答えていて、そのうち9割以上がその症状を『我慢した』そうなんです」 庭野解説委員 「実は生理って、その期間だけではないというところがまた厄介というか、難しいところです。生理の2週間前ぐらいから起こる不調を『PMS=月経前症候群』といいます」 「丸の内の森レディースクリニック宋美玄院長によりますと、お腹が痛い、お腹や胸が張る、体がだるい、眠気、疲れやすい、むくむ、肌荒れ、といった症状があるそうです。それから精神面では、イライラする、落ち込む、情緒が不安定になる、身近な人にきつく当たってしまうなんていうことがあるそうです」 「宋院長は、『低用量ピルは服用すると排卵を抑制でき、ホルモンの増減の波を抑えることが出来ます。そのため、PMSの不調の原因をある程度おさえ、症状も抑えられます』と説明されています」 片山記者 「低用量ピルって、日本では他の先進国と比べて服用する人がすごく少ないですよね」