海外再流通事業のユアトレード、総額3.5億円を調達 海外販売の新プラットフォーム提供へ
国際流通関連サービスを提供するユアトレードは11月14日、第三者割当増資と融資により、総額3.5億円の資金調達を実施した。調達した資金は、事業拡大の加速とグローバル展開を行う組織体制の強化に活用する。 国際流通領域でのDXを推進するユアトレードは、一般貿易や越境ECを行う事業者を対象に、海外現地での返品商品や滞留在庫品を、データ活用やECマルチチャンネル販売を通して海外で再流通する事業を展開している。 最初の事業展開国である台湾では、1年間で月間流通額が大きく成長するとともに、契約事業者も日本、台湾の大手事業者を中心に急速に増加。従来廃棄対象だった商品の流動性を高めることで売上向上につながるとともに、在庫コストや廃棄コストも削減している。商品廃棄の削減にも貢献しており、経済性と環境性を両立させた価値提供を行なっている。米国でのサービス提供も開始しており、今後、世界有数のEC大国でのさらなる事業拡大を目指すとともに、他地域への対応も進めていくとしている。 ユアトレードの支援を受けている台湾アイリスオーヤマの山本翔総経理は、「台湾の小売業界は寡占化されており、小売業者の交渉力が強いため、多くのメーカーや卸売業者は返品の受け入れや欠品を避けるための在庫確保が難しい状況です。当社はユアトレードの再流通サービスを導入することで廃棄物の低減に貢献でき、環境負荷を軽減しながら企業成長も実現しています。ユアトレードには今後も更なる販売拡大に期待しております」と話す。 <海外EC販売サービス「nomino global」をリリースへ> このほど、Genesia Venturesをリード投資家とした第三者割当増資と融資により、総額3.5億円の資金調達を実施した。これにより累計の資金調達額は約4.5億円となった。 今回資金調達により、事業拡大の加速とグローバル展開を行う組織体制のさらなる強化を図る。国際的な流通市場における新たな基盤を構築し、企業が国境を越えてビジネスを行うための革新的なソリューションの提供を目指すとし、従来の海外再流通事業に加えて、今後大きく成長する越境EC領域において、従来の方法よりも大幅に早く、手軽に、そしてデータ・ドリブンに海外EC販売できるサービス「nomino global」もリリースする。 今後正式に展開を開始するこのプラットフォームは、複数の国やプラットフォームに対応しており、事業者が迅速に新しい市場に参入できる環境を提供する。これにより、企業は他国の消費者とスムーズに繋がり、新たなビジネスチャンスを最大限に活用できるとし、日本企業の海外販路獲得を支援する。海外への販売後の返品や滞留在庫課題に対しては再流通サービスを提供することで、入口から出口までスムースに日本商品が世界で流通する未来に貢献。国際的な流通市場における新たな基盤を構築し、企業が国境を越えてビジネスを行うための革新的なソリューションを提供する。 今回の資金調達にあたり、ユアトレード代表取締役社長 柳澤裕人氏は、「ユアトレードは台湾で再流通事業を開始し、国際流通領域をなめらかにする事業体としての価値貢献に集中してきました。その中で構築したシステムやオペレーションを今後、他国展開やマルチプロダクト展開に活かし更なる事業成長とグローバルでの価値貢献体制の実現を目指していきたいと考えています。国際流通領域は巨大で複雑、ステークホルダーが多いことに加えて、消費トレンドや国際情勢から大きな影響を受けます。また、テクノロジーにより海外消費者との繋がり方が変わり、今後さらに大きく変容していくと思われます。ユアトレードはその中で、消費者、販売者、地球がよりよい形でつながり、国際流通領域において入り口から出口まで滑らかに価値が繋がる世界を築いていきます。ユアトレードの事業活動にご期待ください。引き続き宜しくお願い致します」とコメントした。