「殴ってないとか何もしてないと報酬はない」「女性と子どもは叫ぶ前に口をおさえてください」中野区の“強盗傷害”「ルフィ」「キム」らが実行役らに指示か 警視庁
指示役「ルフィ」らが関わったとされる全国で相次いだ強盗のうち、去年12月に東京・中野区で起きた強盗傷害事件で、指示役が実行役らに対して「殴ってないとか何もしてないと報酬はない」などと、電話で指示していたとみられることがわかりました。 この事件は去年12月、東京・中野区の住宅に男らが宅配業者を装って押し入り、住人の男性を殴るなどしてケガをさせた上、現金およそ3200万円を奪ったもので、指示役としてフィリピンから強制送還された特殊詐欺グループのリーダー・渡辺優樹容疑者(39)や幹部の今村磨人容疑者(39)、藤田聖也容疑者(39)が強盗傷害などの疑いで逮捕されました。 この事件では、ことし1月に東京・狛江市で起きた強盗致死事件の実行役とみられる永田陸人被告など、実行役ら8人がすでに逮捕・起訴されています。 実行役らへの具体的な指示は「ルフィ」や「キム」がフィリピンからテレグラムを使って出していたとみられ、実行役の供述から「キム」が現場に向かう車内で携帯をスピーカーモードにさせ、「積極的に全員関わってください」「殴ってないとか何もしていないと報酬はない」「全員殴ってください」「女性や子どもは叫ぶ前に口をおさえてください」などと指示していたとみられています。 また、現場では「キム」が永田被告と通話しながら犯行に及び、外で待機していた運転役の男は「ルフィ」とイヤホンで通話していたとみられているほか、奪った現金は現金回収役の男と永田被告ら一部の実行役がJR荻窪駅近くのカラオケ店で指示役と通話しながら金額を確認していたとみられるということです。 警視庁は、渡辺容疑者らの詳しい役割を調べるとともに、他にも「ルフィ」が関わったとされている東京都稲城市や山口県岩国市で起きた強盗事件との関わりも調べ、一連の事件の全容解明を進める方針です。