持っている男・オコエが大暴れ?! 暴走・三塁打、好守備、そして忘れ物
横浜DeNA対楽天が17日、横浜スタジアムで行われ、楽天が8-5で快勝した。ゲームの主導権を握るきっかけになったのは、「1番・センター」でスタメン出場したオコエ瑠偉(18)のプレイボール直後の先頭打者三塁打。明らかに暴走だったが、相手の中継ミスを誘い、三塁を落とし入れ先制ホームを踏んだ。オコエは7回にも左前安打を放ち、マルチ安打をマーク。守っても7回に好守備でピンチを救うなど、“持っている”スーパールーキーが「走行守」に輝きを見せ始めた。 横浜DeNAの久保康友(35)とはファームで対戦している。1球、1球、モーションとスピードを変えながら球界屈指のタイミングを外す術を持っている久保の手玉に取られ、ノーステップ打法で対抗した。その残像が残っているオコエも、「久保さんは、外してくるのが上手い。タイミングがカギになる」と考えていた。 カウント2-2からアウトサイドの変化球の吊り球にオコエのバットが動かない。 ボールが見えて“間”の作れている証だった。フルカウントとなって、インサイド寄りの少し高めのストレート系のボール。芯で捉えたライナーは、ショートの倉本寿彦(25)のグラブを掠めるような低い弾道で伸びて、左中間を真っ二つである。ショート超えの打球が、本塁打になったのが、怪童と呼ばれた中西太氏、巨人にいた台湾人助っ人の呂明賜利の伝説だが、オコエは足で伝説に挑む。 二塁を回ると、ストライドを緩めず三塁を狙ったのだ。タイミングは完全にアウト。だが、オコエは持っていた。足から滑り込むと、中継した倉本の三塁への送球が大きくそれたのである。 「よく打ったが暴走気味。無理していくところじゃない。でも、あれがセーフになるんだからね、記録は三塁打? やっぱり持っているだろうな。チームに貢献している」。試合後、梨田監督も苦笑い。 初回の先頭打者。100パーセントセーフでなければ二塁ストップがセオリーだ。 オコエ自身も「止まるべきだった。ラッキーでしかない」と反省コメント。だが、変幻自在の久保から打ったバッティングに関しては、二重丸の自己採点である。 久保がクイックを使わなかったため、オコエはノーステップ打法を封印していた。 「うまくタイミングを合わせることができた。坂本さんに教えてもらった内角打ちができた。体で回る意識です」。そう言って内角打ちの肘の抜き方と体の回転のアクションをその場で実践してみせた。