女優志望の女性を食い物に…自称映画監督の男に4年6ヵ月の実刑判決 法廷で明かされたわいせつ脚本
映画のオーディションと偽り女性にわいせつな行為をしたとして、強制わいせつなどの罪に問われた自称映画監督・プロデューサーの吉岡康成被告(54)の判決公判が8月8日に開かれ、東京地裁は懲役4年6月の実刑判決を言い渡した。 【卑劣】準強姦容疑で送検される映画監督の榊英雄被告の様子 起訴状などによると吉岡被告は映画プロデューサーを自称し、ネット上で映画製作のための出演女優を募集。オーディションを受けに来た複数の女性に対して、わいせつな行為を行ったという。オーディションでは、キスシーンのある「教室」という台本を渡し、自身を相手役に演技をさせ、キスや胸を触るなどの卑劣な行為をしていた。 逮捕直後に『週刊女性プライム』(’22年3月12日配信)が報じたところによると、容疑者宅からは類似の自作台本がたくさん見つかり、実際に映画制作も行っていたという。彼の映画に出演したことのある男性は、 「いわゆるインディーズ映画ですが、プロデュースから監督までこなしストイックに取り組んでいました。例えば主人公がさまざまな出会いを通じて成長していくヒューマンストーリーとか。建築業の出身で、映画をきっかけに大工のような職人に憧れる人を増やしたいと話していました」 などと話し、吉岡被告に好印象を抱いたという。 一方で、映画制作関係者はこう証言した。 「出演女性へのセクハラがひどかった。役者を目指して地方から上京してきた女優の卵を相手に、オーディションのときに台本にキスシーンを追加したり、気の弱そうな子にはハグを多めにしたそう。監督なのに“オレが相手をしてやる”と言い出すパターン。ほぼほぼ逮捕容疑とやり口が同じなんですよ」 出演女性たちからも「あいつはヤバい」と警戒されていたという。 判決公判で、入廷した吉岡被告はピンクのワイシャツに髪を短く整えメガネをかけており、清潔感のあるサラリーマンという雰囲気。着席すると身体を小刻みに動かしたり、気を落ち着けるためか目をつむったりと、かなり緊張した様子だった。 「オーディションはレンタルルームやマンションの一室で行われ、吉岡被告と被害女性の1対1という状況でした。脚本は両思いだった小学校の同級生が再会し、『ずっとお前のことが好きだった』と告白していきなり激しいキスをするという内容で、演技テストとして舌を入れるなどの行為を行ったうえ、女性の胸や陰部を触るなどしていました」(全国紙社会部記者) 裁判で吉岡被告は、 「オーディションの一環として女性が自らの意思決定で行為に応じた」 と主張し容疑を否認。被害女性の1人は陳述書で、 「本当に辛いです。口の周りがかゆく、精神的にもボロボロです。発熱もしました」 と悲痛な思いを訴えた。 「吉岡被告は『キスをすれば熱意を確認することができる』とも主張していました。被害者の中にはキス以外にも服を脱がされ、直接、胸やお尻などを触られた女性もいます。抵抗しなさそうな女性を選んで二次審査に通過したと知らせて、次のオーディションに来るように案内していました。行為をエスカレートさせようとしていたのでしょう」(前出・全国紙司法担当記者) 裁判では吉岡被告の言い分は一切聞き入れられず、裁判長は、 「卑劣で悪質。不合理な弁解を繰り返しており、反省の態度は見られない」 として懲役4年6月の実刑判決を言い渡した。 東京地裁では8月21日に、映画監督の榊英雄被告(54)の第2回公判も行われている。演技指導と称して2人の女性に性的暴行を加えたとして準強姦罪に問われている裁判で、起訴内容について榊被告は、「自然と抱き合うことになった」「映画監督の影響力を使っていない」などと主張し、あらためて容疑を否認した。 #Me Too運動によって女性たちが映画監督や俳優からの性被害を告発し、厳しい目が向けられているエンタメ業界。それでも表沙汰になった事案は氷山の一角という見方もあり、今後も同様の事案が出てくる可能性もある。榊被告が仮に有罪になった場合、二度とこのような事件が起きないよう、吉岡被告と同様の厳しい判決を望みたいーー。
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