最新研究でわかった”関節リウマチリスク”を減らす3つの食材と意外にも控えた方がいい飲み物とは?
関節リウマチの原因は遺伝的要因と環境要因とが複雑に絡み合って発症すると考えられている。しかし、最近の研究により、日常的な食事の選択がこの疾患の発症リスクを低下させる可能性があることが明らかになった。関節リウマチの予防に役立つとされる3つの食材と、逆にリスクを高める可能性のある飲み物についてご紹介しよう。 〈写真〉最新研究でわかった”関節リウマチリスク”を減らす3つの食材と意外にも控えた方がいい飲み物とは? ■フルーツ、青魚、シリアルが関節リウマチリスクを軽減 英リーズ大学の研究チームが実施した調査によると、フルーツ、青魚、シリアルを積極的に摂取することが関節リウマチのリスク低下に関連していることが分かった。この研究では、32の異なる食品群や栄養素とリウマチ発症リスクの関連を調査し、これらの食品が炎症を抑え、免疫系に良い影響を与える可能性が示唆された。たとえば、青魚にはオメガ3脂肪酸が豊富に含まれており、これは抗炎症作用を持つことで知られている。また、フルーツには抗酸化物質が含まれており、細胞の損傷を防ぐ働きがある。さらに、シリアルはビタミンDや食物繊維が豊富で、これらが炎症を抑制する役割を果たす可能性がある。 ■適量のアルコールが保護効果を示す さらに興味深いことに、週に2ユニット程度のアルコール摂取がリウマチリスクの低下と関連していることが報告された。この量は、低アルコールのビールやラガーなら1パイント(568ml)、または標準的なグラス1杯のワインに相当する。ただし、摂取量が増えるにつれてこの効果は薄れ、過度な飲酒は逆に健康に悪影響を及ぼす可能性があるため、注意が必要だ。 ■茶とコーヒーがリスクを増加させる可能性 一方で、意外なことに、茶とコーヒーの摂取は関節リウマチのリスクを増加させる可能性があると指摘されている。研究によれば、1日1杯の茶 を飲むごとにリスクが4%増加するという結果が示された。しかし、これはリスク全体から見ると小さな増加であり、茶には骨の健康をサポートしたり、心血管の健康を改善したりするなど、他の多くの健康効果もある。そのため、茶やコーヒーを完全に避ける必要はなく、適量を守ることが重要だ。 今回の研究結果によって、日常的な食事や飲み物の選択が予防に役立つ可能性が示唆された。 研究チームの一員で、栄養疫学の教授であるジャネット・ケイド博士は、「食生活の改善が関節リウマチの予防に重要な役割を果たす可能性がある」と述べている。特に、青魚、シリアル、野菜、ビタミンDを豊富に含む食品を取り入れ、適量のビールを楽しむことが、リスク軽減につながるかもしれない。一方で、コーヒーや紅茶の摂取は、リスクをわずかに増加させるかもしれないとの指摘もあるが、これらの影響についてはまだ結論が出ていない。やはり、バランスの良い食事や健康的な生活習慣が最も重要だ。関節リウマチ予防には複数の要因が関係しているため、総合的な対策が求められる。 出典:Oily fish, fruit and cereal can ‘cut arthritis risk’Study: Moderate alcohol, oily fish, cereal lower arthritis risk; tea, coffee may raise itThree Common foods ‘key to slashing arthritis’ risk but popular drink increases it 文/山口華恵
山口華恵