佐藤輝よ、関西のスターにとどまるな 来季は甲子園の浜風を克服して日本の大砲になれ! 「鬼筆」越後屋のトラ漫遊記
しかし、佐藤輝には何とか「甲子園問題」を克服して、村上や岡本和をしのぐ「日本の大砲」になってもらいたい。そう願う阪神ファンは多いのではないでしょうか。そういう意味でプロ5年目を迎える来季は、佐藤輝がもっとすごい打者になれるか否かのカギを握るシーズンになる気がしますね。
■大きな期待の裏返し
もう一度、おさらいをしますが、佐藤輝の今季成績は120試合に出場して打率2割6分8厘、16本塁打、70打点です。打率はキャリアハイですし、得点圏打率も昨季の2割7分3厘から3割2分2厘に向上させています。勝負強くもなっているのです。なのに、阪神ファンの中にはサトテルに対するネガティブな印象が生まれていました。もちろん、岡田彰布前監督が事あるごとに厳しい発言を行っていたことも影響しているでしょう。
5月14日の中日戦(豊橋)では、捕手・坂本からの送球を落球してしまいゲームは敗戦。「あれで終わりよ。キャッチボールよ」と吐き捨てた岡田前監督はその夜のうちに2軍降格を決定。別の場面でも打ち損じを悔しがる佐藤輝に対して、岡田前監督はチーム打撃の観点で苦言を呈したことも度々でした。「どんでん語録」を読み続けていた阪神ファンには「サトテルよ、しっかりせい」という思いが脳裏に刷り込まれきたといえませんかね。
ただ、佐藤輝はそんなにアカンのかい?といえば全然、そんなことはないですよね。プロ入りから3年連続で20本塁打以上放った左打者はプロ野球界で初めてです。4シーズン通算で84本塁打、310打点です。年俸も成績とともに上昇し、今季年俸1億5千万円(推定)は4年目の内野手としてはプロ野球史上最高額です。
阪神ファンはサトテルに絶大な期待を寄せています。あまりにも期待が大きすぎて、その反動で視線も厳しくなる。たぶん、岡田前監督も同じだったと思いますね。もっとできるだろう、もっと打てるだろう…と思うから、言葉もきつくなったのではないでしょうか。