「普通のカップルは政治の話なんかしない」 パートナーに話題を拒否され… マンガ夜廻り猫
長年の婚活で、やっと出会えたパートナー。ふたりで街頭演説の前を通りかかったとき、政治の話をしたところ……。「ハガネの女」「カンナさーん!」などで知られる漫画家の深谷かほるさんが、SNSで発表してきた「夜廻り猫」。今回は、政治の話題を口にした女性のエピソードです。 【マンガ本編はこちら】婚活10年で出会えたパートナー いい人だったけど…
「何でも話せる人と付き合いたい」
きょうも夜の街を回っていた猫の遠藤平蔵。部屋にひとりでいた女性の、心の涙の匂いに気づきます。 女性は、婚活を始めてから10年。「やっと出会いがあったの」と振り返ります。女性が寝込んだ時には、2時間の距離を飛んできてくれた優しい人でした。 きょう、たまたま街頭演説の前を通り、憲法改正の話になりました。 すると彼から「あのさ、普通のカップルは政治の話なんかしないよ」「俺、知ったかなヤツ嫌いなんだよね」と言われてしまったのです。 女性の祖母は、毎日2時間かけて新聞を読み、聞けば何でも教えてくれる人でした。 「私は何でも話せる人と付き合いたい」「言ったら怒る人とは付き合えない」と語ります。 「でも、いい人なのに~!」と涙する女性。遠藤は「あぁぁ…残念だなぁ」と声をあわせるのでした。
「近い間柄だからこそ、話したいテーマ」
作者の深谷かほるさんは、「先日、若い人が『普通のカップルは政治の話なんかしないよ』と話しているのを聞きました。驚きました」と語ります。 「誰とでも、気軽に政治の話ができるわけではない現状がある、というのは私も知っています。それだけに、近い間柄なら話したいテーマではないでしょうか。それに、政治や社会課題は誰でも知っておくべきことではありませんか」と問いかけます。 政治は、私たちみんなの「足場」を決めるもの。「だからこそ、現代史を学びつつ、憲法というものはどういうものか、いま社会に足りていない倫理観は何だと思うか、原発政策・災害対策・感染症対策……。ひととおりのことは知っておきたいです」と深谷さんは語ります。 「そんなに難しくはありません。新聞を読めば分かります。欲を言えば2,3紙を比較したいところですが……」 深谷さんは「それに、パートナーなら、相手が話したいことには興味を持ったらどうでしょう、とも思います。政治について話すこと、どこが面白いのかを教えてもらえば、きっと楽しいはずですよ。ぜひ話してください」と呼びかけています。