いま中国人が日本の“受験戦争”に参戦する理由とは?「半分は高校進学できない」体育中も教科書手放さず…“勉強漬け”中国教育の現実
いま子どもに日本で教育を受けさせるため、家族で来日する中国人が増えているという。 日本に比べて宿題の量が非常に多いという中国は、子どもが夜9時頃まで宿題に追われる光景が当たり前のようだ。また、高校への進学率は約半分と、厳しい環境にある。 日本の“受験戦争”に参戦する、“中国式”教育を取材した。 【画像】小学校でも7時間授業が当たり前…中国の子どもたちの“勉強漬け”生活とは?
中国人が日本の“お受験”戦争に参戦
11月、大阪のとあるビルで行われていたのは、中国人による、中国人のための「ニッポン“お受験”講座」。 陳さん : この本を買いました。すべての学校を紹介しています。この本を家に持って帰ったら、息子はすぐに見始めて、「お父さん、灘中学はどこ?」って自慢げに言っていました。 陳さん: 日本のお母さんたちは、塾の経験などを共有するのが大好きです。いろんな掲示板で、「6年生は本当にしんどい。もう耐えられない」とか書かれているので、彼らの状況が分かります。 実はいま、小学生などの子を持つ中国人が、こうして日本の“お受験”戦争に参戦しているという。 小学校高学年の子どもを持つセミナー参加者: 今年3月に日本に来ました。一つは子供の教育のためです。 ――中学受験は考えている? 小学校高学年の子どもを持つセミナー参加者: はい、毎日2~3時間、学校以外の勉強をさせています。 ――教育のために日本にくる中国人は多い? 小学6年の子どもを持つセミナー参加者: 日本で知り合った方はみな、基本的に子どもの教育のために日本に来た人たちです。 講師を務めていた陳さんは、「こちらは関西の中学受験を目指すグループで、現在254人が参加しています。ほぼ毎日、入りたいと申請してくる人がいます」と話す。
小学3年生で中2レベルの数学を勉強
そう語る陳さんもまた、 小学3年生の男の子を持つ父親だ。 息子の立くん、9歳。 立くんの勉強机は、キッチンの目の前。 両親は、いつでもその周りで待機し、勉強の進み具合などをチェック。 陳さん: 4問目は……すごい!正解! 立くん: あぁ、つかれたぁ。 陳さん: ちょっと休憩しよう! ちなみに解いていた問題は、中学2年生レベルの数学だという。 陳さん: 今日初めて教えました。中学2年レベルの数学です。早く解けたし、正解率も高いです。 もう一度言うが、立くんは小学3年生だ…。 しかも、家族は2022年 に中国・福建省からビザを取得し来日したばかり。 そこから日本語を覚えた立くんは、日本語の問題集を解くだけでもビハインドのはず。