いま中国人が日本の“受験戦争”に参戦する理由とは?「半分は高校進学できない」体育中も教科書手放さず…“勉強漬け”中国教育の現実
日本で教育を受けさせる理由とは
なぜ、子どもにそんな思いをさせてまで、日本での教育を選んだのか聞いた。 陳さん: 友人の子どもが中国の小学校に通っていますが、遅い時は、午後5時、6時になって、やっと下校します。 しかも、ほとんどの学校で、とてもたくさんの宿題を子どもに課しています。それに比べ、日本の小学校は早く下校することができ、授業もそれほど大変じゃありません。 (宿題が少なく)遊ぶ時間もあるので、私たちは日本の中高一貫校を目指しているのです。 なんと、来日の理由は「日本の教育システム」が子どもに優しいからだという。 確かに昨今、中国では深夜になっても宿題が終わらない子どもたちの姿が、SNSで話題となっている。
夜9時半頃まで宿題に追われる日常
実際にどうなのか。 大学時代に日本に留学し、現在は上海で小学5年生の子どもを育てる孫さんを取材。 孫さん: うちの子供は小学校1年生以来、ほぼ夜9時半ぐらいですね。宿題が終わるまで。3年生に上がると、(午後)9時半でも結構早い方です。だいたい(午後)10時ぐらいです。 だって、宿題が終わらないと、翌日学校に行くと先生に“処刑”されるんですよ。 ちなみに、“処刑”とはみんなの前で怒られることのようだ。 しかも、中国では小学校でも7時間授業が普通で、帰りは夕方なのにもかかわらずだという。 ということで、孫さんに娘の日常を撮影してもらった。 まず学校からの帰宅は、本当に午後5時35分。 そして、帰宅早々に宿題を始める。 娘: これはほんの一部だよ。 孫さん: 今日はまだ他の宿題もあるの? 娘: まだあるよ。 夕食前のわずかな時間も宿題にあて、途中、食事と、動画視聴タイムを約50分挟んだものの… 孫さん: 早く、宿題終わらなくなるよ! 娘 : もうちょっと見させて。 孫さん: だめ!早く!(午後)7時だよ! やってもやっても終わらない宿題の山。 こうして、全てが終わったのは午後9時半だったが、これでも、いつもより相当早いという。