「クリスマスローズ」を知っている?愛らしい見た目と名前で大人気!冬に咲く花の魅力と育て方をプロが解説
「クリスマスのバラ」という名前がついたクリスマスローズ。毎年冬になると庭を彩る花として人気のある植物です。 【写真17枚】冬の庭に魔法を!鉢植えでも育てられるクリスマスローズの基礎知識から花言葉、種類や手入れまで紹介 今回は豪邸からナチュラルな庭まで数々のグリーンを手掛け、お世話をしてきたグリーンコーディネーターの江田俊子さんがクリスマスローズの育て方を解説。クリスマスローズの魅力を引き立てる、植える場所のアイデアも伺いました。
冬に花が咲く「クリスマスローズ」基礎知識
寂しくなってしまいやすい冬の庭を、愛らしく彩ってくれるクリスマスローズ。クリスマスローズという名称で親しまれていますが、学名は「ヘレボルス」といいます。まずは、開花時期や種類など基本的な情報をおさえておきましょう。 ・クリスマスローズの開花時期 クリスマスローズと呼ばれているように、12月~4月の冬から初春に開花します。1度の開花で終わらず、毎シーズン花が咲く多年草。年中緑色の葉をつける常緑性のため、花が咲かない春から夏の休眠期も下草として寄せ植えの1つとして組み込むこともできます。 ホワイトやピンクをはじめ、ブラックやグリーン、くすんだアンティークカラーなど、色のバリエーションも豊か。色の付き方や形も多岐に渡り、お気に入りの品種を見つけるのも楽しみ方の1つです。 花が咲く時期は最もエネルギッシュな生長期で、このタイミングで植え付けるとスムーズに育ちます。ただし、冷え込みが厳しい1月下旬~2月頃は敏感になりやすいため、植え付けは控えましょう。 ・クリスマスローズの花びらに見える部分は萼(がく) バラのような花びらから「ローズ」という名が付けられていますが、花びらに見える部分は萼片が進化したもの。本来の花は中央にある小さな部分です。品種によって形も枚数もさまざまで、1枚1枚が重ならずに咲く「一重咲き」や重なって咲く「八重咲き」、先が尖った「剣弁咲き」などの種類があります。
【クリスマスローズの種類】 品種改良が進んだクリスマスローズの品種は多種多様で、主に有茎種と無茎種に分かれます。有茎種は、太い茎を伸ばしながら葉をつけ、葉の付け根に花を咲かせるのが特徴です。一方で無茎種は、花と葉の茎が別々で、根本から複数の茎を伸ばします。ここでは、20種類以上あるクリスマスローズの原種から、代表的な4種を紹介します。 <ニゲル> 有茎種のニゲルは、12月末に咲くことから、「クリスマスローズ」という名前の由来になったといわれている原種です。濃い緑色の葉がつき、白い花を咲かせるのが特徴。基本的に花は白~クリームですが、産地によっては赤やピンクになることもあります。 <オリエンタリス> 2月~4月に花が咲く、無茎種のオリエンタリス。開花時期から、「ハルザキクリスマスローズ」という和名が付けられています。淡い黄色や桃色の花が咲き、スポットと呼ばれる点や斑点模様が入るものも。どのような環境にも順応する、育てやすい品種です。 <アーグチフォリウス> 有茎種のクリスマスローズ・アーグティフォリウスは、黄緑色~緑色の丸い花が咲きます。素朴な雰囲気で、他の植物と合わせやすいのもポイント。ヒイラギのようなギザギザとした葉が特徴的で、花が咲かない時期も存在感を放ちます。 <フェチダス> フェチダスは、ベルのような形をした小ぶりの花が咲く有茎種のクリスマスローズです。細い葉に手で触れると独特のにおいがすることから、この名前が付けられたそう。垂れ下がるように黄緑色の花が咲き、花の先を縁どるように赤く色づく個性的な品種です。 【どのような環境でも育てやすい丈夫な花】 マイナス15度前後まで耐えられるといわれるクリスマスローズは、寒さだけなく暑さにも強い丈夫な花。健やかに育つと害虫がついたり、病気にかかったりすることも比較的少ないのだとか。脅威的な猛暑になると元気がなくなってしまうこともありますが、基本的にはどのような環境でも育てやすく、初心者の方にもおすすめです。 【地植えと鉢植えのどちらでもOK】 クリスマスローズは、地植えと鉢植えのどちらでも管理することができます。地植えで植えっぱなしにしていても、毎シーズン楽しめます。種が飛び、思わぬところでクリスマスローズが咲くというサプライズがあることも。 鉢植えであれば、花壇がない場所やベランダなど、好きなところで日当たりを工夫しながら自由に育てられます。丈夫な特性がゆえに根っこの張り方も旺盛なので、鉢のなかが根でいっぱいの状態になったら植え替える必要があります。 【クリスマスローズの花言葉】 クリスマスローズの花言葉は、「いたわり」「追憶」「慰め」「私の不安を和らげて」「中傷」。うつむくように花が様子からさみしそうなイメージが連想されますが、辛いときにそっと寄り添う思いを込めた大切な人への贈り物にもぴったりでしょう。