トプコンが非公開化へ、JICやKKRなどが買い手候補-関係者
(ブルームバーグ): 医療機器などを手がけるトプコンが非公開化に向けて入札プロセスに入っていることが分かった。買い手候補には、プライベートエクイティー(PE、未公開株)投資会社の米KKRや欧州系投資ファンドのEQT、政府系ファンドの産業革新投資機構(JIC)が挙がっている。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。
複数の関係者によると、トプコンは9月に非公開に向けた1次入札を実施し、KKRとEQTが残った。JICは入札には参加しなかったものの、その後に名乗りを上げ、3社が2次入札に進む方向だ。関係者らによると、2次入札は月内実施で調整が進む。
トプコンの筆頭株主は、米アクティビストファンドのバリューアクト・キャピタルで、ブルームバーグのデータによると13.69%を保有する。複数の関係者によると、バリューアクトは、事業間のシナジーがなく、コングロマリットディスカウントになっているとして、事業売却や非公開化を求めていた。
報道を受けてトプコン株は買い注文を集め、午前11時10分時点で、前日比14%高の2008円で買い気配となっている。
KKRとEQT、JICの広報担当者はコメントを控えた。トプコンの広報担当者はそうした事実はないとコメントした。
企業統治(コーポレートガバナンス)改革などを背景に、物言う株主(アクティビスト)からの日本企業への提案が増加。トプコンの他にも、3Dインベストメント・パートナーズが投資する富士ソフトなど、アクティビストとの対話を経て非公開化を選ぶ企業が現れている。
トプコンの時価総額は2000億円規模。3社の中で選ばれた投資ファンドが株式公開買い付け(TOB)で全株を取得し、トプコンは上場廃止となる計画だ。江藤隆志社長ら経営陣も出資するMBO(経営陣が参加する買収)になる可能性もある。
トプコンは、眼科用の医療機器を製造販売するほか、建設現場での測量計測器を利用した建機の自動制御なども扱う。同社のウェブサイトによると、1986年に東京証券取引所の市場第一部に指定され、22年にプライム市場に移行していた。かつて東芝傘下にあったが、15年に東芝がトプコンの全株を売却していた。