西部警察マシンRS-2仕様、その後|「当時のパーツが手に入らない」妥協したくないオーナーの選択
【日産 スカイライン ハードトップ 2000ターボ RS vol.3】 西部警察に登場する「マシンRS-2」仕様に仕上げられたDR30スカイライン。 >> 【画像28枚】ADスリー製のリアバイザーとエアロクラフト製のストリームスプリット。後者はレプリカのFRP製ではなく、エアロクラフトの刻印入りゴム製であることがポイント。ボンネット中央の大型アウトレットは、石原プロモーションに許可をもらい、一般の人が3個だけ作ったというもの。そのうちの希少なひとつだそうだ じつは、この個体は以前のDR30ではない。「本物」のマシンRS-2作りをスタートしたオーナーだが、その製作が進むにつれて限界を感じていた。「当時のパーツが手に入らない」からだ。とくに特徴的なスタイルを作り出すエアロクラフト製のエアロパーツは、まったく見つからなかった。 似たような形状のパーツはあるが、あくまでも目指すのは「本物」。だからこそ妥協はしたくなかったが、行き詰まりを感じていたのも事実だ。 そんなとき、ピットハウスに西部警察仕様のDR30が入庫。それは、西部警察レプリカ軍団のひとつ「中部軍団」のオーナーが所有していた個体で、ボンネットのエアスプリットや3ピース構造のリアスポイラー、リアバイザーはエアロクラフトのロゴ付きが装着されるなど、驚くほど完成度が高かった。オーナーは「これしかない!」と、思い切ってベース車両を変えたのだ。 同店の國領さんは「絶対に連絡が来ると思っていたよ。もう病気だね、オーナーは……」とひと言。売却してくれたそうだ。 それが約1年半前。そこからマシンRS-2製作は加速していく。前車所有時から集めていたパーツや機器を取り付け、室内のコンピューターなどもワンオフで製作および溶接・加工取り付け。 しかし、そこに多くの苦労が隠されている。本誌で特別撮影しているものの、西部警察の車両に関する資料は多くはない。たとえば、メインコンピューターのパネルに書かれている文字ひとつとっても、鮮明な画像はないため識別できない。本物にこだわるオーナーは、小樽の石原裕次郎記念館にも数回足を運び(島根から北海道は遠い!)、可能な限り各部を写真に収めて持ち帰り、製作してきた。 初出: ハチマルヒーロー 2018年 1月号 vol.45 (記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)
Nosweb 編集部