笑顔の奥で離婚を企む夫。夫が密かに離婚を考える3つの事例
3.家事労働を家計費ですませるタイパ重視妻
ケイさん(仮名36歳)が夫から突然「離婚したい」と言われたのは先月。夫が主張している「家事分担をきちんとしない」という理由については、まったく心当たりがない、と言っています。 「わが家は共働きなので家事はほぼ折半しており、きっちり分担しています。たとえば夕食の支度や家の掃除、一人息子の保育園の送迎などは原則、週替わりでやっています。でもどちらかというと夫より私のほうが仕事が不規則なので、定時に終われないことも多いです。 たとえば、今週は夕飯の当番なのに毎日残業が続く。でも夫に代わってもらうのは迷惑がかかるだろうから、デリバリーで頼んだり、デパ地下でお惣菜を買いそろえて帰ったりなどいろいろ工夫をしています。 子どもの保育園の送迎も私がむずかしい時は実家の母やシッターさんに頼んでタクシーで行ってもらうこともあります。夫に頼んでも、彼は彼でいそがしいでしょうし、迷惑はかけたくないと思っています。もちろんお金はかかりますが“Time is Money”の考え方で、割り切るようにしています。私がいろいろ工夫していることを夫も十分わかってくれていると思っていたんですが…」 「自分は工夫して、家事分担を頑張っていた」と言い切るケイさん。でも、ケイさんの夫に伺ってみると、意外な反応でした。 「僕が妻に対して不満なのは、家事を自分でやろうとせず、お金で解決しようとすることなんです。夕飯を作るのが面倒だからデパ地下で総菜を買ってきて、ときにはウーバーですよ。 ウーバー頼むだけなら夕食の支度をしたと言えないですよね。僕は仕事が終わった後でも、ちゃんと地元の安いスーパーで買い物をしてご飯を作りますよ。妻はお金を使って自分だけ手を抜いて、以前からずるいと思っていました。 ほかにも、保育園の送迎で、自分の代わりに高額なシッターさんを頼むので、そのためにタクシー代もかかります。このように、料理以外でも、自分がさぼるために家計から出費する場面が多々あります。 自分が送迎できないとわかっているなら、僕に頼んで交代すればいいと思いませんか? 妻が交代を申し出ないのは、交代してもらった分、翌週に送迎をやらなきゃいけないから、それが嫌なんですよ。だから金を使って自分が楽をしているんです。不公平ですよ。もう僕の我慢の限界を超えたんです」 タイパ重視の妻に対して、それを「浪費だ」「手抜きだ」「ずるい」と感じる夫。お互いの考え方をきちんと伝えあっていれば、深刻な事態にならずに済んだはずですが、ちょっとしたコミュニケーション不足やすれ違いが大きな亀裂になってしまった一例と言えるでしょう。