大和証G、26年度に経常益2400億円超目標-提携戦略を積極推進
(ブルームバーグ): 大和証券グループ本社は20日、各事業領域での付加価値の追求や外部連携などの推進を通じ、2026年度に経常利益2400億円以上、ROE10%程度を目指すと発表した。23年度の経常利益の実績は1745億円だった。
4月から同社のかじ取りを担う荻野明彦社長の下での初めての中期経営計画策定となる。決算期は異なるが、経常利益が2515億円だった1986年9月期決算以来、約40年ぶりの高水準を目指す。
経常利益目標の部門別内訳は、ウェルスマネジメント840億円、アセットマネジメント910億円、グローバル・マーケッツとインベストメント・バンキング(GM&IB)605億円など。30年度には経常利益3500億円超を目指す方針も盛り込んだ。
大和証Gは先週、資本が絡んだ提携を2件相次いで打ち出した。あおぞら銀行が実施する第三者割当増資519億円を大和証Gが引き受けるほか、大和証G傘下の大和アセットマネジメント(AM)はかんぽ生命から525億円の出資を受ける。
今回の中計の発表資料では、こうした外部との提携などを指す「インオーガニック戦略」に分量を割いた。あおぞら銀との提携については「スピードを重視した提携推進体制による早期のシナジー発揮を目指す」と明記した。
その上で、今後の業務・資本提携に関しては「富裕層・資産形成層など強固な顧客基盤を有する有力企業、金融機関との連携」を検討する方針を示した。
会見した荻野社長は「必要なピースについてはちゅうちょなくインオーガニックに対応していく」と説明。特にウェルスマネジメントとアセットマネジメントの両分野を重視する考えを示した。中計の前提として2026年度の日経平均株価は平均で5万円、長期金利は1.3%を想定しているという。
大和証Gの前期(24年3月期)純利益は1216億円と9年ぶりの高水準となった。1月には、銀行グループを含めた国内大手金融機関の中で、解散価値とされる株価純資産倍率(PBR)1倍の復帰をいち早く果たした。