「日本のファンが私を忘れずにいてくれた」プレミア12で日本を破り号泣…元ロッテの台湾代表左腕が歩んだ道「通訳なしで奮闘」「涙を流し帰国」
通訳をつけずに…
チェンには通訳がいなかった。戦力外からテスト入団をした身で、当時から片言ではあるが日本語を話せたこともあって、自力でコミュニケーションをとることを大事にした。一生懸命に日本語を学び、自らの口で話し、自らの耳で聞き、理解することを選んだ。 時には日本語を間違えたりすることもあったが、それもまた愛嬌として映った。ある時、小学校訪問で子供たちに「好きな果物は何ですか?」と聞かれ、「カレーよ!」と即答したこともあった。ある時は、ロッカーに大量の差し入れを持参してテーブル所狭しとばかり並べ、嬉しそうに呼びかけた。「さあ、遠慮してね!」。一瞬、時が止まったが、「それを言うなら『遠慮しないでね』だよ」とみんなでツッコミを入れると「日本語、難しいよ」と頭をかいた。そうやって必死にコミュニケーションをとっていた。 マリーンズの仲間に愛され、ファンに愛された。そしてチェンはマリーンズを愛していた。しかし、20年のシーズンを最後に帰国して母国台湾の野球のために尽くす道を選んだ。苦渋の選択だった。家族のことも考え、日本で学んだことを母国の野球発展のために還元したいという思いで、涙を流しながら帰国し、台湾プロ野球チームの楽天モンキーズに入団した。
台湾代表として果たした凱旋
そして今シーズンは、主にセットアッパーの役割を担い、54試合に登板。26ホールド、防御率1.97という成績をひっさげて台湾代表入りを果たし、プレミア12で“第二の故郷”でもある日本に凱旋。台湾の初優勝を導いたあの瞬間は、母国の野球発展のために尽くした日々が報われた至福の時だった。大きな夢の結実に、涙は自然と溢れた。 チェンは今でもマリーンズのニュースをチェックしているという。最後にこんなメッセージを残した。 「マリーンズのすべてのことに関心を持っています。西野勇士投手とは長い間、チームメートで、今年、彼が素晴らしいシーズンであったことをとても嬉しく思います。これから勇士さんがチームメートと共に努力する気持ちを持って、チームをより良い成績に導いてくれることを願っています。また、今後、長い間、マリーンズが継続的に強いチームになると信じていて、ファンの皆さんも引き続きマリーンズを応援してください」
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