新幹線開業で「おもてなし力向上」「効果さざ波程度」 地域の「明暗」徹底検証 全線開業10年・東北新幹線<第2部 後編>
東北新幹線全線開業で人の流れが変わり、人影がまばらな時間帯も多い野辺地駅前=2020年11月27日
「開業効果はゼロ。いやマイナスだと思う」。野辺地町の駅前商店会会長である今井實人さん(68)は寂しげに笑う。2010年12月の東北新幹線全線開業後、野辺地駅前の風景は様変わりした。JR東北線は青い森鉄道線へと代わり、同駅への特急列車停車はなくなった。朝と夕方以外は乗降客の姿も少なく、衰退は覆うべくもない。 かつては六ケ所村の核燃料サイクル施設をはじめとする関連産業の多くのビジネスマンが、同駅を利用していた。しかし、全線開業により六ケ所への中継点の役割は七戸十和田駅に移行。野辺地駅前にあった一部のレンタカー営業所は撤退し、商店や食堂も相次いでシャッターを下ろした。(2020年11月30日~12月2日の東奥日報連載記事を再編集したものです)
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