農産物を「ミルクラン集荷」 佐川急便が全国展開
農家の庭先巡回、負担減へ
物流大手の佐川急便は、生産者を巡回して農産物を集荷する「ミルクラン集荷」を強化している。生産者の高齢化から農作物の積み込み作業の負担を軽減したいニーズが高まり、産地JAも注目する。物流側も少ないトラックと運転手で効率的に巡回できる利点がある。同社は今後、扱う農作物や地域を拡大していく方針だ。 ミルクラン集荷は、乳業メーカーが酪農家を巡って生乳を集める輸送方法に由来し、1台のトラックで各配送元を巡回して原料や部品などを集荷する。 同社は、農作物を生産者の庭先から直接集荷し、JAなどに運ぶミルクラン集荷を全国で展開中だ。宮城県JA新みやぎでは、2021年秋から一部管内の米集荷で導入している。JAの担当者は「高齢化が進み、米のように重いものを運べる人が少なくなる」として、ミルクラン集荷の拡大を期待する。 佐川急便では米集荷の他、苗の配達も一部手がける。ブドウ産地では集荷に加え、同社施設での選別、梱包(こんぽう)、発送作業を代行する。集荷当日の発送もするという。 同社は「地域に合った提案を通して、農業の高齢化や人手不足という課題解決に貢献したい」とする。
日本農業新聞