結局、死ぬまで働き続ける?…経済的自立を達成しても「FIREを卒業する人」が後を絶たない根本的理由
「FIRE」が一時期話題となりましたが、経済的自立を達成して早期退職したからといって、必ずしも全員が幸せになれるわけではありません。実際、「FIREを達成したが、その後再び働き始めた」という人も少なくありません。なぜそのようなことが起こるのでしょうか? 香港の金融機関で産業調査に従事し、英国でMBAを取得後、株式分析やファンド運用に20年以上携わってきた⾼⾐紗彩氏の著書『ポートフォリオ・マネジメントで一生お金に困らない人になる!』(すばる舎)より、一部抜粋・編集してお届けします。 【早見表】年収別「会社員の手取り額」
目指すべきはFIREではなく……
お金の不安もなく、幸せに暮らすにはどうしたらいいのでしょうか。 私が提唱するのが、経済的自立を達成するけれどリタイアせず、価値を感じる仕事を楽しみ続ける「バリューFIRE」という生き方です。 FIREが、経済的自立と早期リタイアを意味するのに対し、バリューFIREでは経済的自立を遂げたうえで、生涯現役で仕事を続ける喜びを享受し続けることを目指します。 早期リタイアを夢見ていた人は、「せっかく経済的に自立したのに、まだ働かなきゃならないの」と驚くかもしれません。 ですが落ち着いて、あなたが資産を構築したい理由を考えてみましょう。「いつまでも、 幸せに人生を過ごしたいから」という方が大半だと思います。資産をつくることが目的ではなく、安心して幸せな人生を過ごしたい。 そのために、資産をつくりたいのだと思います。「資産はつくれました、でも不幸せです」となっては本末転倒です。お金などの有形資産は、先ほどお伝えしたとおり、増え続けていかない限り永続的な幸せはもたらさないことがわかっています。お金とは、幸せをもたらすものではなく、あることで不幸せにならないものなのです。 FIREが達成できても、その後の生活で「毎日すること」があなたに幸せをもたらさなければ、お金がいくらあっても幸せな人生を歩んでいくことはできません。FIREを目指すのは、あなたの目的──安心して幸せな人生を過ごしたい──にかなっていないことになります。
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