「定年退職後」にやってくるお金の危機“3つの波”の乗り越え方、めでたいはずの「長寿」をリスクにしないために
また、医療保険やがん保険、介護保険、認知症保険、火災保険(地震保険)など、保険商品を活用するのもよいでしょう。 「使う」お金 「使う」お金と言っても、全額がすぐに必要になるものではありません。次の3つに分けて考えることで、本当に今必要なお金を洗い出せます。 ・日常的な生活費 ・5年以内の近い将来使うお金(例:車の買い替え、旅行資金、子どもの結婚資金、孫の教育費など) ・当分(5~10年以上)使う予定がないお金(例:老後資金、親・配偶者等の葬儀費用、墓地・墓石費用など)
年齢や健康状態、資産残高によっては、当分使う予定がない場合、定期預金にしておいたり、低リスクの金融商品で運用したりすることもできます。また、株式の配当や債券の利子、投資信託の分配金など、収益を定期的に受け取れる金融商品なら、元本を減らさず、年金の上乗せとしてお金を受け取るのも可能です。 ■老後のお金の危機は「3つの波」でやってくる あなたの老後は幸せに、穏やかに過ごせそうでしょうか。それは、最後(死ぬ? )までわからないことかもしれません。ただ、お金の側面から見ると、長い老後には、大きな3つの波(危機)があり、これさえ乗り越えれば、あるいは見通しがつけば、安心と言えるでしょう。その3つの波(危機)とは、次の通りです。
① 定年退職から年金受給まで(60歳代前半) ② 配偶者に先立たれた後(80歳代前後) ③ 予想以上に長生きした場合(80歳代後半以降) あなたが、60歳未満ならまだ対策する時間がありますし、すでに60歳以上でも、3つの危機を知り、これからお話しする方法をできる範囲で実践できれば大丈夫です。 ①定年退職から年金受給まで(60歳代前半) 原則、公的年金の支給開始は65歳からです。 ちなみに60歳の就業率は約7割です(総務省の「労働力調査」より)。ところが、給与は、60歳以降、年齢が上がると、どんどん下がっていきます。