「定年退職後」にやってくるお金の危機“3つの波”の乗り越え方、めでたいはずの「長寿」をリスクにしないために
しかし、夫と死別した65歳以上の女性の平均年金月額は12.1万円。これまで年金が20万円あったとすると、年間約100万円も減少します(厚生労働省の分析調査)。 ここでの効果的な対策は、「夫婦仲よく元気に長生きする」ことです。 単純なことのように感じるかもしれませんが、これがなかなか容易ではなく、しかも気づきにくいことなのです。つまり、日頃から健康に気をつけて生活するだけで、未来へのお金の備えになっているということになります。
■長寿を「おめでたいもの」にするために ③予想以上に長生きした場合(80歳代後半以降) 最後は、長生きによって老後資金が枯渇し、生活が困窮してしまう「長生きリスク」。本来なら、長寿はおめでたいのに、リスクになってしまうなんて、悲しいことです。 平均寿命(2022年)は、男性81.05年、女性87.09年。でも、周囲には、もっと高齢な人がたくさんいらっしゃいますよね。 ここでの効果的な対策は、前述の2つの波(危機)をどのように乗り越えてきたか、対策を実行したか次第です。
年を取れば、行動範囲も狭まって、それほどお金も使わなくなるという傾向はありますが、それでも、貯蓄が底をつき、年金だけでは生活できなくなったら、迷わず、行政や福祉サービスを頼ってください。 ちなみに、米国では、「富裕層と貧困層では、寿命に10~15年も差がある」といった研究結果が発表されるなど、経済的な余裕と寿命には密接な関係があるとわかっています。ぜひ、お金の危機を乗り切って、人生を楽しく長生きしましょう!
黒田 尚子 :ファイナンシャルプランナー