「定年退職後」にやってくるお金の危機“3つの波”の乗り越え方、めでたいはずの「長寿」をリスクにしないために
おひとりさまなど、誰にも残す必要がなければ、最低限の葬式費用や整理費用だけ確保しておけばいいわけですしね。あるいは、ほかの2つのお金が予想以上にかさんだ時の「保険」として残しておくのもアリです。 次に、差し引くのは「備える」お金です。リタイア後の生活では、これをしっかり確保することが心配事の解消につながります。最後に、残った分がこれから「使う」お金(今から使えるお金)となります。 例えば、手持ちの老後資金が2000万円の場合、「残す」お金500万円、「備える」お金に500万円と分けていくと、「使う」お金は1000万円。
単純に1000万円を月5万円ずつ取り崩すと、約16.6年。 そうなんです。こう分けてみると、これから使えるお金は多くない。ちなみに、平均余命は70歳男性が約15年。女性は約19年です。男性はギリギリ持つくらい。女性はピンチ! でも、これはあくまでも試算に過ぎません。あなたが、3つのお金をどう分けるかは自由です。ぜひ、いろいろと考えてみてくださいね。 では、三分法のお金の分け方の詳細を1つずつ見ていきましょう。
「残す」お金 「残す」お金は、 ・あなたが亡くなった後の家族(配偶者、子どもなど)の生活費 ・ご自身の葬儀費用、死後の手続き費用 ・使い切らずに、最後まで余裕を持って豊かに生きるためのお金 などが該当します。ほかのお金と同じく、預貯金でも構いません。あるいは、亡くなった時に、家族が保険金を受け取れる終身保険などであれば、確実に、残したい人にお金を受け取ってもらえます。 私のお客さま(70代・女性)で、ご自分の葬儀費用を「金地金」で準備している人がいらっしゃいました。ここ最近の金の価格は、ほぼ右肩上がりですから、亡くなる時には、さぞ、立派なお葬式があげられることでしょう。
■本当に「今必要なお金」を洗い出そう 「備える」お金 「備える」お金は、「もしもの時」のためのお金です。 ・病気やケガの入院費用 ・要介護状態や認知症になった時の費用 ・地震や台風などの災害、自宅のリフォーム費用 などが該当します。このお金は、銀行の預金や郵便局の貯金で確保しておきましょう。ここでの注意点は、不測の事態に「備える」お金ですから、いつでも引き出せるよう「流動性」の高い普通預金・通常貯金に入れておくこと。定期預金等にする場合は、満期の短いものに変更しておいてください。