1014億円移籍、電撃結婚、裏切り、史上初50-50…大谷翔平“伝説の1年”惜しまれながらも遂に完結
ドジャース移籍1年目からワールドシリーズ制覇
米大リーグ・ドジャースの大谷翔平投手が、メジャー7年目でワールドシリーズ制覇を成し遂げた。30日(日本時間31日)の敵地ヤンキース戦に7-6で勝利し、ニューヨークで同僚たちと歓喜の輪を作った。昨年の右ひじ手術から、怒涛すぎた“伝説の1年”が遂に完結した。 【画像】「奥さんが撮った写真かな」 大谷翔平が試合後に公開した1枚が話題 昨季まで6シーズン、同じロサンゼルスを本拠地にするエンゼルスでプレーしていた大谷。23年9月に右ひじの手術を行って以降、怒涛のような1年となった。FAとなり、複数球団の獲得競争の末、ドジャースと10年7億ドル(約1014億円=当時)という大リーグ史上最高額で契約。異例の超大型契約には日米で衝撃が走った。 ドジャースと契約前には、大谷がプライベートジェットでブルージェイズ本拠地のトロントに向かったという誤情報が広がり、実際は大谷が乗っていないフライトレーダーを数千人が見守るなど大混乱に。大きな注目を浴びながらスプリングキャンプに入ったが、ここでも驚きの発表があった。 2月に妻・真美子さんとの結婚を電撃報告。メディアもファンも騒然となった。愛犬デコピンを含めた家族に微笑ましい視線が注がれた。投手としてのリハビリをこなしつつ、打者として開幕に向けて調整。3月20日、韓国・ソウルでのパドレスとの開幕戦には「2番・DH」で先発出場し、5打数2安打1打点1盗塁で5-2の勝利に貢献した。 順調なスタートを切ったかに思われたが、専属通訳として公私ともに支えてきた水原一平氏が、大谷の資金を盗用し、違法賭博に関与していたとしてドジャースを解雇された。大谷は潔白だったが、真相が明らかになるまで疑いの目も向けられるなど、プレーに集中するのが難しい状況に直面。それでも休むことなく出場を続け、地区首位を快走するチームを牽引した。
球宴で初HR、史上初「50-50」も…
7月、4年連続4度目の出場となったオールスターには「2番・DH」で先発。3回に球宴では自身初となる先制3ランを放った。2021年のオールスターで先発登板し、1回を3者凡退に抑えて勝利投手になっており、これで球宴史上初の“勝利投手&HR”という偉業を成し遂げた。 後半戦に入り、大谷の勢いはさらに増していった。8月23日(同24日)の本拠地レイズ戦では、9回に40号サヨナラ満塁弾。日本人初、メジャー史上6人目の40本塁打&40盗塁(40-40)を劇的に達成した。さらに9月19日(同20日)の敵地マーリンズ戦では初の3打席連続本塁打を含む6打数6安打10打点2盗塁の大暴れ。この試合でメジャー史上初の「50-50」に到達した。 50号ホームランの記念ボールはオークションに出品され、手数料込みで439万2000ドル(約6億6320万円)で落札された。米オークションサイト「ゴールディン」は自社のXで、マーク・マグワイア(当時カージナルス)が1998年に放った70号ボールの落札価格300万5000ドル(約4億5400万円)を上回る史上最高値を更新したと伝えている。 レギュラーシーズンでは打率.310、54本塁打、130打点、59盗塁といずれも自己最高の数値をたたき出し、本塁打、打点のリーグ2冠に輝いた。メジャー7年目で初となったポストシーズンでは、驚異的な勝負強さを発揮。一時は得点圏打率が8割を超えるほどで、2番ベッツ、3番フリーマンとの“MVPトリオ”は変わらず脅威だった。 ヤンキース・ジャッジとの両リーグMVP最有力候補による対決が注目を集めたワールドシリーズでは、第2戦の走塁中に左肩を亜脱臼。残り試合の出場が心配されたが、大谷は最後までグラウンドに立ち続けた。今季もメジャーの歴史に名前を残し続けた“伝説の1年”は、惜しまれながらも最後の試合を終えた。
THE ANSWER編集部