発達障害のある長男に驚きの変化が!ただのお手伝いで終わらせない「家事」のすごい効果とは
家事=めんどくさいになる前に
大人としては忙しい生活の中、「自分でやった方が早いし、子どもにやらせたらこぼれたりして余計に手間がかかって大変」と思ってしまいがちですが、子どもたちが家事を「魅力的な楽しい遊び」ととらえる案外短い期間にその動作を習得することは、発達視点から見ても、将来の自立という視点から見てもいいことだらけです。子どもたちの様子を見ていると、幼児期が終わり、就学期以降抽象的な学びの時期に入ると、個人差はあれど「なるべく手を動かさずに済ませてしまおう」と思う省エネ時代が必ずやってきます。 「手を動かすことそのものが楽しい」と思える時期に、掃除や料理などを通して家事に必要な動きを習得することで、学童期以降もルーティンとして定着し、内面の成長とともに「家族の中での役割があり、自分は役に立っている」という安心感にもつながります。 特に発達特性が強くある長男はその傾向が強く、おうちでの実践を始めて6年、できる動作が増えたことはもちろん、誰かに頼られ、役に立っていると実感しながら生活ができることが嬉しいようです。 大晦日の朝、大掃除が終わっていないのに寝坊した私。目が覚めて慌ててリビングへ行くと、ソファをどかして掃除機をかけている長男がいました。 「お母さん、掃除できたよ!」 子どもは本来みんな、「できるようになりたい!」と思っている存在です。でも、障害特性を含む何らかの原因でうまくいかないことが繰り返されたとしたら、やる気は徐々に失われ「どうせできないからやらない」という気持ちに変わっていきます。わが家の長男も同級生の中にいるとどうしても「同じようにできない」ことが多いです。 だからこそ「何歳だから、何年生だからこれ」ではなく、今長男の発達課題は何なのか、たくさんやりたがっていることは何なのかを意識して、得意なことを任せ、楽しく過ごしながら、将来の自立へ向かっていけたらと思っています。
【Profile】りっきー(@ouchi_monte_ryoiku)
10歳と6歳の男の子、2児の母。日本モンテッソーリ教育綜合研究所2歳半-6歳コース教師、保育士、プラスモンテ®️主宰。 会社員を12年経験後、自身の子育てで長男の発達について悩んだ経験から、発達のことで悩む保護者と子ども、支援者の3者をつなぐ役割をしたいと考え、教育業界へ転職。その後独立。モンテッソーリ教室での講師業の傍ら、保育園・療育施設などで出張研修・オンライン研修をおこなう。 全国の専門職・保護者が集まる発達障害臨床研究会(宇佐川研)オンラインサロン講師 Instagram(@ouchi_monte_ryoiku)ではモンテッソーリ×感覚統合の視点でおうちでできる取り組みを発信している。 著書に『感覚統合の視点で「できた!」が増える!発達が気になる子のためのおうちモンテッソーリ』/日本能率協会マネジメントセンター ブログ:おうちモンテで療育.com