発達障害のある長男に驚きの変化が!ただのお手伝いで終わらせない「家事」のすごい効果とは
日常の動作なら親がお手本を見せやすい
そうは言っても、忙しい日々の中、家庭の中で成長に応じてたくさんの教材を準備するのは大変!というのも正直なところ……。だからこそおすすめするのは、料理や掃除の道具を環境の中に準備することです。毎日必ずする家事であれば、親がお手本を見せることもそこまで難しくはありません。 ポイントは、「子どもの手に合ったサイズの道具を、いつでも子どもが手に取れる位置に準備すること」! たとえば、わが家の掃除用具は壁掛け方式で、卓上ほうきとチリトリや子どもの身長にあった床履きほうきが常にフックにかかっています。子どもサイズに調整をしたクイックルワイパーや布巾・雑巾もあります。料理道具は100均で購入した持ち手付き透明ケースの中に、子どもサイズのものを一式揃えています。一度揃えたら何度も買い替える必要はないので、時間がない保護者の方にもおすすめです。 個人差は大きいですが、たとえば料理なら3歳前後までは、レタスをちぎる、とうもろこしの皮をむく、といった道具なしでもできる大きな動き、3歳以降は指先を使った細かな動きができるようになってくるので、道具を使って材料を混ぜる、卵を割る、ごはんをよそう、と言った調整力が必要な動きがおすすめです。
発達障害のある長男に変化が・・・!?
長男は、4歳の頃エネルギーがありあまり、高いところから飛び降りたり、あちこちに飛び移ったりする多動傾向のある子どもでしたが、その分大きな動きを伴う活動には喜んで参加する様子がありました。そこで、長男専用の雑巾を準備し、一緒に肩関節から腕を大きく動かしエネルギーを発散できる窓拭きや棚拭きをしたところ大ヒット! 毎日のように家中の棚を拭き、やり方をマスターした後はすっかり掃除好きになりました。そして、年長時には保育園でのお掃除係にも大喜びで取り組んでいました。 同じようにして、文字は読めるのに不器用でなかなか書くことが難しかった年中終わりから年長にかけては、書字の準備になる動きを、料理を通して獲得してきました。たとえば、ボウルで材料を混ぜる時には、きき手で混ぜて、反対側の手でボウルを押さえる必要があります。道具を持つきき手側の動きは、「鉛筆を三本指で持つ力や、ひらがなのカーブを書くときの滑らかな手首の動き」に、そして押さえる方の手は「書字の際にノートを押さえておく手の使い方」へとつながっていきます。長男自身は遊びだと思っているので、文字を書く練習をひたすらするよりは遥かに楽しく、意欲的に、いつのまにか書字に必要な力が育ったと感じています。