歯磨き後は『すすぎ不要』口腔ケアの新常識!? 45歳以上の2人に1人は歯周病「唾が間違って肺に入ったら、あっという間に肺炎」全身に影響する可能性
文部科学省は2023年度の「学校保健統計調査」の結果を公表。虫歯になった子どもの割合は、各世代で過去最少の数字になっています。歯科医師に話を聞くと、昭和40年代の「虫歯の洪水」と言われていた時代を経て、今はフッ素が導入されて子どもの虫歯は減っているということです。一方で、やわらかいものしか食べないため、現代は歯並びに関してよくない傾向で、歯並びが原因で「歯周病」のスタートが早まる可能性もあると指摘されます。歯周病になると、問題が口の中だけにとどまらず、「全身に影響が出る」可能性もあるということです。 【画像を見る】「マウスウォッシュ」「歯ブラシ」「フロス・歯間ブラシ」の効果的な順番は?知っているようで知らない口腔ケア
「口」の問題が全身に…初期は自覚症状がない『歯周病』
子どもの虫歯は減っていますが、大人は大丈夫でしょうか…近畿大学の榎本明史教授に話を聞きました。歯は50代から失われていくと言われています。失われていく原因の1位は「歯周病」で、45歳以上の2人に1人が歯周病にかかっていると言われています。そして2位が「虫歯」です(日本歯科医師会)。歯周病は生活習慣病で、歯と歯ぐきの隙間に細菌が入り込んで起きる感染症の1つです。初期は自覚症状がなく、知らない間に進行し、気づいたときにはもう遅い…ということも。 症状は、歯ぐきの腫れ、出血などの炎症。歯を支える土台の骨が溶けていく、そうなるとグラグラして痛みが伴います。歯周病にどんな人がなりやすいのかも見ていきますと。 ■お酒をよく飲む人やタバコを吸う人 ■甘いものを好む人 ■口の中が不潔な人 歯周病は放っておくと、全身の健康に影響してくることがあるということです。歯科医師は「歯周病が進み、菌がたくさんある自身の唾を飲み込んだ際、間違って肺に入ったら、あっという間に肺炎を引き起こすこともある」と指摘しています。また、以下のような症状を引き起こしたり悪化させたりするおそれもあります。 ■狭心症や心筋梗塞 ■糖尿病 ■アルツハイマー型認知症 ■肥満 やはり歯は大切にしないといけません。毎食後の歯磨きと、定期検診(3か月から6か月の間隔)などで予防していくことが大切です。1年に1回以上定期検診を受けている人は、ライオンの2022年の調査によりますと44%いるということです。 虫歯がないなら歯医者に行かなくていいだろうという考えの人もいますが、1回の検診が保険適用で3000円~4000円ほどなので、定期検診を受けることは大切なのかもしれません。