大成功! 夏の補強で大躍進したJリーグクラブ(6)どん底からの復活! 的確補強でギリギリの残留
8月も終わりに差し掛かり、明治安田Jリーグの夏の補強期間が終了した。シーズン半ばでの補強は後半戦のチームの成績を大きく左右するものとなるが、Jリーグの歴史の中には、夏の補強によってチーム状況が大きく変わり快進撃を見せたクラブがある。今回は夏の的確な補強によって大躍進を遂げたクラブを紹介する。(成績は『transfermarkt』参照)
サンフレッチェ広島(2017年) 最終順位:15位(8勝9分17敗) 補強期間前順位:17位(2勝4分10敗) 主な夏の補強選手:パトリック、丹羽大輝 森保一監督のもと、2012年シーズンからの4シーズンで3度のリーグ制覇を成し遂げたサンフレッチェ広島だったが、2016年は相次ぐけが人の影響で、リーグ6位に留まる。シーズンオフにはその年得点王を獲得したピーター・ウタカと、広島の象徴ともいえる佐藤寿人が退団し、クラブは転換期に入っていた。 攻撃の2枚看板を失った広島は工藤壮人氏とフェリペ・シウバを獲得し攻撃力の維持を図ったが、前任が抜けた穴は思いの外大きく、深刻な得点力不足に悩むことになる。第11節セレッソ大阪戦で5失点を喫するなど守備にも綻びが見え、チームは降格圏に低迷。さらに塩谷司が海外移籍のため退団するなどチーム状態はどん底で、7月に森保監督が退任する事態に陥った。 黄金期の将が監督を退き、後任は現役時代同クラブに在籍していたヤン・ヨンソンが務めることになった。ヤンは従来の3バックからシステムを4バックに変更。ガンバ大阪からパトリックと丹羽大輝を獲得し攻守ともに足りない部分を補い後半戦に備えた。 パトリックの加入によって、前線でボールが収まる場面が増え、チームの攻撃が促進された。守備にも安定感が生まれ、第20節からの9試合を4勝4分1敗で乗り切ることに成功。直後の3試合は優勝争い中のクラブが相手だったこともあり3連敗を喫してしまったが、1試合を残してJ1残留が確定した。 最終的に広島のリーグ戦順位は15位となった。降格圏に沈んだ16位のヴァンフォーレ甲府との勝ち点差はわずか1。熾烈な残留争いとなったが、夏の補強が広島を残留圏内に押し上げたといえるだろう。
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