イチロー「このまま会わずにお互い死んでいくのも・・・」松井秀喜と10年ぶり再会に「想像以上だった。明るいよね」
◆当時の松井に「明るいっていうイメージは持てなかった」
決起集会で、10年ぶりの再会を果たしたイチローと松井。高校野球女子選抜との試合を終え、二人は改めて語り合った。 松井:イチローさんの前でやっぱりね、せめてジャケットとシャツ着ないとね。 イチロー:普段こういう感じが多いってこと? 松井:こういうときは大体そうですね。 イチロー:(決起集会の時に)デニムは履かないって言ってたじゃん? 松井:ほとんど履かないですかね。たまには履きますけど、はい。 イチロー:俺頑張ってこれ(セットアップに白のTシャツ)だから。 松井:いやいやいや、なんでも似合っちゃうから(笑) イチロー:プライベートで会うことは・・・。 松井:そうですね、初めてですよね。 イチロー:ねぇ、なかったから、どんな感じなんかなと思って、緊張もしたし。いや、緊張するじゃない、そりゃ。球場でしか会ったことない、お互いがさ。そうしたら想像以上だったから、すごい驚いたんだよね、明るいよね。すごく明るいっていうイメージは、僕の中には持てなかったから。実はそこに一番びっくりしたのと、格が高いっていうか、格のある人って言われるでしょ? 松井:そうですかね。 イチロー:いや、そうだなと思ったの。大体の人たちはさ、箔をつけることに必死になっちゃって、格が備わらないっていう人はいっぱいいると思うのね。 松井:なるほどね、格と箔の違いですね。 イチロー:全然違うことじゃない?箔はつくけど、格がない人っていっぱいいるんだけど、あ、この人両方備わってるなって。それって瞬間的に感じるものだし、どこで備えたんだろうって。 松井:これは、やっぱりイチローさんと対比した場合の話ですけど、やっぱり自分はなんかそれを求められてきたとこに、どうしてもいたっていうかね。 イチロー:(読売)ジャイアンツ、ヤンキースとかね。 松井:格なのかどうなのかよく分からないですけど、それを基本とするなんていうか、人間性というか人格というか、そういうものを、何か自然に求められてきたなっていうか。 イチロー:求められてもさ、それを形にできるかは。 松井:もちろんそうです。できる人、できない人いると思うんですけど。やっぱりそれはなんか自分の中で、ひしひしとなんか無意識のうちに感じて、そうしなくちゃいけないっていうか、そのうちそれが本当の自分なのかどうなのかっていう、それすらなんか自分自身がわからなくなってきて。 イチロー:あーー。 松井:じゃあ自分自身は何だってなったら、昨日、一昨日の明るく一緒にお酒を飲む。それも自分自身だし、かといって、やっぱりたくさんのファンの前で、こういなくちゃいけないと思う松井秀喜も、自分自身だし。 イチロー:うんうんうん。 松井:どっちも本当の自分なんでしょうけど、それをなんか、無意識に使い分けちゃうっていうか。それがイチローさんにどういうふうに映ったかは、ちょっとわかんないんですけど、でもイチローさんになんかそういうふうに自然とね、感じていただけたのは、もちろん自分自身としては嬉しいんですけど。私はまず、お店に入った第一声が、今まで見たことのないイチローさんの「へい!ヒデキ・マツイ!」 イチロー:(爆笑) 松井:で、入ったでしょ。あれでなんか自分のなんか、もうポンって弾けちゃって。「あれ、イチローさん、あ、じゃあこのノリで自分もいっていいんだ。自分もこれでいけるよ」みたいなね。それがすごいウェルカムというね。それがすごく良かったですね。やっぱりイチローさんと一緒におられる皆さんがやっぱすごい素敵、やっぱ皆さん素敵だったんで、本当に何かすっとあの場に行けた。 イチロー:いやすごい自然だったもんね。なんかあっという間に溶け込んでいた。 松井:ホントに10年ぶりっていう感じもなかったです。