「アンブロ」創業100周年のアーカイブ展をロンドンで開催 オアシスからヴァージルまで独断と偏見で選んだ9着の逸話
「アンブロ」オリジナル・ドリルトップ(1996年)
「アンブロ」といえば、オアシス(Oasis)のリアム・ギャラガー(Liam Gallagher)のイメージが強い人も多いだろう。彼は、幼い頃から地元マンチェスターを拠点とするマンチェスター・シティFCの“シチズン(熱狂的なサポーター)”かつワーキングクラス出身ということもあり、世界的バンドの仲間入りを果たしてからもフットボール用のアイテムを普段着として着用している。だが、“リアム=アンブロ”を決定付けた日があるーー1996年4月28日だ。
この日、マンチェスター・シティFCの本拠地「メイン・ロード」でオアシスのライブを行ったリアムは、出番直前に選手用ロッカーに置いてあった「アンブロ」のドリルトップを発見。あろうことか盗出し、着用してライブを行ったのだ。ある意味、ロックスター然としたこの行動は、のちにカサビアン(Kasabian)を結成する若きセルジオ・ピッツォーノ(Sergio Pizzorno)ら多くのファンに影響を与え、セルジオは全く同じドリルトップで高校に通っていたという。
その後、リアムは自身のアパレルブランド「プリティー・グリーン(PRETTY GREEN)」と「アンブロ」が2019年に初コラボした際、ドリルトップを彷ふつとさせるモッズコートを制作していた。
「アンブロ」× オアシス コラボユニホーム(1997年)
図らずもリアム・ギャラガーによってオアシスとコネクションを持った「アンブロ」は、バンドのプロモーションに参画。ノエル&リアムが兄弟そろって大のフットボール好きであることから、1997年8月にバンドの3rdアルバム「Be Here Now」が発売された際、非売品のコラボユニホームを制作して、関係者やレコードショップに配布した。また同時期にブラー(Blur)のデーモン・アルバーン(Damon Albarn)がチェルシーFCのユニホーム(現在はナイキ製だが、当時はアンブロ製)を表舞台で愛用していたこともあり、UKバンドシーンと「アンブロ」の関係性はさらに深まっていった。2010年には、カサビアンのライブでイングランド代表の新作アウェイユニホームを発表するという試みが行われるなど、蜜月ぶりは脈々と受け継がれている。