夏の甲子園で輝いた好投手を山本昌が解説 「こんなにすばらしいピッチャーがいたのか」と絶賛したのは?
山本昌スカウティングレポート2024年夏(前編) 夏の甲子園を沸かせた逸材投手を山本昌(元・中日)が徹底分析する名物企画が、今年も帰ってきた。今夏は2~3年生に好投手が続出し、レジェンドも大興奮。まずはプロ注目のドラフト上位候補など7人の逸材について語ってもらった。 【写真】ヒロド歩美キャスターが甲子園と阪神タイガースを語る・インタビューカット集 今朝丸裕喜(報徳学園/188cm・80kg/右投右打) 今夏の甲子園では初戦で敗れましたが、相変わらず超一流の素材だと感じました。上背があって、捕手に向かって真っすぐラインを出せるフォームに、球威があるストレート。高校トップクラスの潜在能力でしょう。春のセンバツ時にも指摘させてもらいましたが、今後は体に力をつけて、体重移動時にもう少し捕手に寄れるようになると球のキレが一段と増していくと感じます。即戦力というより、まだまだ伸びしろを残した好素材。ドラフト1位指名される可能性は十分にあります。
藤田琉生(東海大相模/198cm・96kg/左投左打) じつは彼のことを中学時代に見る機会があり、今夏の甲子園で「ここまでの投手になったのか」と感慨深くなりました。中学時代はもっと線が細かったのですが、たくましい体つきになって、フォームも安定していました。とくに大きく変化するナックルカーブを覚えたことが大きかったですね。198センチの長身でこれだけのボールが投げられれば、ドラフト上位候補に入るのだろうなと感じます。春から夏にかけて球速が上がってきたそうですが、今後は球のキレとコントロールを追求してもらいたいですね。質と精度が向上すれば、ストライクゾーンの狭くなるプロでも活躍できるはずです。
関浩一郎(青森山田/186cm・89kg/右投右打) 大学進学予定と聞きましたが、4年後にドラフト1位指名を狙える逸材です。春のセンバツよりも体がひと回り大きくなり、フォームの力感が増していました。ホームベースに向かって真っすぐに力を伝えられているし、腕の振りが強く、ボールも非常に走っている。打者に向かっていく姿勢や、マスクもいいですね。大学での4年間で追求してもらいたいのは、左肩の開きを遅らせること。左肩を開いて右腕を振るというより、左肩を「止める」感覚が出てくると右腕が走るようになります。リリースのタイミングが合えば、彼のポテンシャルはもっと引き出されるはずです。