アジア系黒人として「史上初」を重ねてきたカマラ・ハリスの「勝負アイテム」
今の自分が形成された時期はいつですか? そう聞かれたら、みなさんはどのように答えるだろう。良くも悪くも、さまざまな体験がその人たちの人格形成に影響している。生まれた時から運命が決まっているわけではないのだ。では、アメリカ大統領候補になるような人物にとって、大きく影響した時期はいつだったのか。 【写真】「人格を形成された」と語るハワード大学に講演に訪れたカマラさんの首元は… 2024年のアメリカ大統領選挙が11月5日に行われる。3回目の挑戦となるトランプ元大統領が返り咲くか、カマラ・ハリス氏がアメリカ史上初の女性の大統領となるか、世界中の注目を集めている。 アメリカ初の副大統領になったアフリカ系、アジア系黒人の女性であり、大統領候補となったカマラは、いったいどのように今の彼女となっていったのだろうか。 評伝『カマラ・ハリス物語』には、幼少期から副大統領になるまでの彼女のこれまでが綴られている。カマラ・デヴィ・ハリスが1人のアジア系黒人として、さまざまな困難や差別を受けてきたことも描かれる。夢を実現するための方法を探し続け、本日を迎えることができたのは、家族や友人の大きな支え、特に厳しくも愛情深い母親と、カマラと共に挑戦も続ける妹の存在はカマラというかけがえのない存在があったからだということも伝わってくる。 本書より抜粋・再編集してお届けする第1回「カマラ・ハリスを支え続けた厳しくも愛のある母の言葉とは? 知られざるカマラと家族の物語」では、カマラを支えた母シャマラと妹マヤとの関係をお伝えした。第2回は、カマラの人格形成に大きく影響を与えたと自ら語る大学時代と、ファッションも注目されるカマラの「勝負アイテム」についてお届けする。
人格を形成した「ハワード大学」と最強の仲間
カマラは高校卒業後、名門ハワード大学に入学。法律家や政治家の基礎となる力を身につけるため、ディベート部(弁論部)に入部した。 ディベート部では、理屈っぽい男子学生ばかりだったが、カマラは1年生とは思えない力強く説得力がある発言で注目を集め、2年生では主将に選ばれた。部内では「あの、たたみかけるようなつっこみ! 獲物に襲いかかるライオンみたいだ」と噂をされるほどだった。 4年生になると、ハワード大学の有名な女子学生クラブ「アルファ・カッパ・アルファ(略称AKA)」にスカウトされ入会。アメリカの大学には“ソロリティ”と呼ばれる会員制の学生クラブがあり、ハワード大のAKAは全米初の黒人女子学生クラブで、将来が有望と思われる人をクラブの委員が探しだし、入会をすすめるのだ。 メンバーの結束は非常に強く、在学中よりも卒業後に社会的に活躍するメンバーへの力添えに定評がある。カマラは在学中、ここで強力な人脈を作り、後に上院議員に立候補したときも、資金集めをしてくれたのは元AKAの卒業生たちだった。 1986年、ハリスは政治学と経済学の学位を取得してハワード大学を卒業。カマラは「わたしの人格を形成したのは両親と一族、そしてハワード大学です」と語るほど、彼女の活躍に大きな影響を与えている。