アジア系黒人として「史上初」を重ねてきたカマラ・ハリスの「勝負アイテム」
ファッションはカマラにとって最大の意思表示
カマラの名前を聞いてファッションを思い浮かべる人も少なくないだろう。カマラといえば「コンバースのスニーカー」「パールのネックレス」など、代名詞となるようなトレードマークを生み出している。 2014年アメリカ中間選挙では、これまでの女性候補者がハイヒールを履いていた中で、洗練されたスーツとコンバースのスニーカーという独自のスタイルで注目を集めた。 そして、カマラを象徴するパール。パールは母校ハワード大学女子学生AKAの象徴だ。AKAは、“20粒のパール”と呼ばれる9人の女性グループが創設し、メンバーになると20粒のパールをあしらったバッジが与えられる。カマラはパールのネックレスを身につけることによって、同級生たちに繫がりと支持を求めているのだ。 そして、カマラは白・黒のパールのネックレスを上手く使いこなす。とりわけブラックパールを身に纏うのは、2020年バイデン大統領候補から副大統領候補に指名されたときや、米大統領候補への立候補を表明したときなど、カマラの人生における重要な場面だ。 ブラックパールはかつてパールの中でも奇異な種類として遠ざけられていた。ちょうど白人社会で黒人が差別されてきたように。だが、現在は貴重な装飾品として尊ばれている。 カマラはブラックパールを身につけることにより、黒人としての誇りと闘志を強く訴えているのだ。今回の大統領選でも必ずや、ブラックパールに守られたハリス候補の姿に出会えるにちがいない。
岡田 好惠(英仏翻訳者、ライター)