元No.1カリスマホスト城咲 仁が44歳で“チャーハン修行”に打ち込んだ深い理由
「親父は倒れたあとも何度か体調を崩し、入退院を繰り返しているので、厨房に立ち続けるのは難しい。今年は店を一旦休業しました。6月1日に営業を再開した当初は僕も厨房に入ってましたが、今は職人さんに入ってもらい店を存続させています。今年丸鶴は58周年を迎えるので、目標としてまず親父に60周年を迎えさせたいと思っています」。
実演販売や実家の町中華など、マルチな活躍を見せる城咲さんだが、自身の仕事についてこう語る。 「今の僕の仕事は、強いていえば、『成立させ屋』ですね。実演販売をしているとメーカーさんや各方面から、『こんなもの売りたい』と相談がたくさん来るんです。商品を作るだけじゃだめだから、ターゲットを絞ったり、ストーリー作ったりして具現化して、必要なときは人を紹介する。人脈やノウハウを使ってビジネスを成立させるのが僕の役目です。 丸鶴に関しては、自分は歯車みたいなもの。ホールが足りなければやるし、調理場が足りなきゃやる、集客が必要ならSNSをやる。ここは親父が命と人生をかけて築き上げた店なので、僕はサポートをするだけ。やることは何でもいいし、そこに変なプライドは持ちません。 仕事の種類を限定せず、今僕の周りにいる人たちと一緒にさらに上のステージを目指したいですね」。
◇ 19歳で家を飛び出した青年が、父親の味を守るために44歳で再び修行に戻る。ホストとしてお客さんの笑顔を生み出してきた彼は現在、新たなステージで周囲の幸福を作り出していた。 豊田和志=写真 池田裕美=取材・文
OCEANS編集部