日本三大酒処・京都伏見で「できたての新酒」を味わう――おトクな飲み放題、酒蔵見学も!
● 蔵見学で伏見の酒づくりを学ぶ 御香宮神社を出て右手に延びる伏見大手筋商店街。秀吉が伏見城築城に際して建てた大手門の西方に造った由緒ある「大手筋通」のアーケード街です。「おやかまっさん」の愛称で親しまれるシンボルのからくり時計は、現在調整中で残念ながら見ることができませんが、食料品、日用品、銀行など、生活に必要なも全てがそろう生きた商店街だけに、歩いているだけで活気をもらえます。商店の戸口には「2024年の酒粕あります」という張り紙も見られ、日本酒の旬が訪れたことをここでも実感できます。 酔っ払う前に現地学習を。大手筋商店街から伏見城外掘跡の濠川に向かって南へ進むと、月桂冠大倉記念館があります。築110余年の酒蔵を再生した資料館で、映像や史料、用具類を通して月桂冠の歩みや伏見の酒づくりについて学ぶことができます。1637(寛永14)年の創業当時から敷地内に湧く名水「さかみづ」で、まずはほどよいミネラルを含んだ中硬水を味わいましょう。見学後には、きき酒処で気になるお酒のテイスティングが楽しめます。期間限定の日本酒や梅でつくるプラムワイン、オリジナルグッズなどおみやげにぴったりなアイテムをそろえた売店にも立ち寄ってみてください。 月桂冠大倉記念館から北西方面へ5分ほどでキザクラカッパカントリーに。昭和の頃におなじみだったTVCM「かっぱっぱ ルンパッパ かっぱ黄桜 かっぱっぱ ポンピリピン のんじゃった ちょっといい気持ち~(ヤッ)♪」が流れ、カッパファミリーの絵(初代は清水崑、2代目は小島功)が出迎えてくれます。日本酒と地ビールの蔵を同時に見学できますが、時間がないときは予約不要で無料、ふらりと入れる黄桜記念館で用具類やパネルの展示を通して酒づくりが学べます。敷地内にレストランも併設され、お酒とともにランチやディナーが楽しめます。 京都では、宇治茶を焙じる香り、お香の香りなど、古都を織りなす香りに触れられることも散歩の魅力の一つですが、キザクラカッパカントリー、山本本家、伏見銘酒協同組合のあたりを歩くと、日本酒好きにはたまらない、お酒を醸すいい香りが漂ってきます。 大手筋商店街から西へ1kmほど離れていますが、「桃の滴」で有名な創業230余年の松本酒造は濠川の畔にあり、大正時代の仕込み蔵と赤レンガの煙突が並び、酒処伏見を代表する風景です。通常非公開ですが、らくたびでは数年に一度くらい、特別見学のツアーをさせていただくことがあります。またいつか機会が訪れるはずです。楽しみにしていてくださいね。