【ステイヤーズS展望】昨年の王者アイアンバローズは8か月ぶりの実戦がカギに 京都大賞典勝ちシュヴァリエローズは連勝狙う
[GⅡステイヤーズステークス=2024年11月30日(土曜)3歳上、中山競馬場・芝内3600メートル] 暮れの中山の風物詩といえる平地最長距離の重賞がステイヤーズS。文字通り、名うてのスタミナ巧者がGⅡタイトルを狙って参戦してくる。近5年の勝ち馬は6、7、6、3、8番人気という人気薄ばかりで波乱ムードも漂う一戦。中2週でGⅠ有馬記念(12月22日=中山芝内2500メートル)に参戦することも可能な時期で、究極のサバイバルレースを勝ち切る馬には熱い注目が集まる。 現役屈指のスタミナを誇るアイアンバローズ(牡7・上村)はこのレース4年連続の参戦。昨年は〝三度目の正直〟で待望の重賞初制覇を成し遂げた。その前2年も2、4着と、この舞台の実績は十分。ただ、今年は上半期のサウジアラビア、ドバイ遠征で大敗し、その後の立ち上げにも時間がかかった。8か月ぶりの復帰戦で3600メートルは、決して楽な条件ではないだろう。 対照的にシュヴァリエローズ(牡6・清水久)は今年に入って充実一途。GⅡ京都記念=8番人気4着、リステッド・メトロポリタンS=5番人気3着、GⅡ目黒記念=10番人気2着と、走っても走っても人気にならず迎えた前走のGⅡ京都大賞典で、8番人気ながら見事に重賞初Vをやってのけた。希望していたGⅠ香港ヴァーズには選出されなかったが、GⅡにしてはやや手薄な印象のあるここなら引き続き好勝負とみていい。 1月の万葉Sを勝ったメイショウブレゲ(牡5・本田)は、昨秋にも3勝クラスの古都Sで2着に入っており、3000メートルで2度の連対歴がある。軽ハンデ時の好走が目立っていたが、京都大賞典でも0秒1差の3着と奮闘。中山コースは未経験だが、これまでのレースぶりや父ゴールドシップという血筋からも適性は高そうだ。 過去10年を見ると、格上挑戦で連対した馬が3頭いる。今年もゴールデンスナップ(牝4・田中克)、フルール(牝4・上原佑)の2頭は豊富なスタミナの持ち主で要注意。前者はタイランドC、後者は札幌日経オープンで2着とすでにオープン&リステッド好走しており、力は見劣りしない。 このほか、GⅢ福島記念でいい脚を長く使って3着と健闘したダンディズム(セン8・野中)、復帰後2戦は大敗続きながら西村淳とのコンビ再結成に望みを託すミクソロジー(牡5・辻野)などにも注意を払いたい。
東スポ競馬編集部