【日本市況】1カ月超ぶり円高、CPIで日銀利上げ観測-株式は反落
株式
東京株式相場は反落し、日経平均の下げ幅は一時300円を超えた。東京都区部CPIの上振れで1ドル=149円台まで円高が進み、業績への影響が懸念された自動車や機械、精密機器、電機など輸出関連株中心に売られた。
インベスコ・アセット・マネジメントの木下智夫グローバル・マーケット・ストラテジストは「CPIは日銀による12月利上げの可能性をやや高めるものだと市場は評価している」と指摘し、為替の円高を通じ、輸出関連銘柄にネガティブに働いたと述べた。
一方、12月の利上げ観測を背景に銀行や保険など金融株は堅調で、東証33業種は21業種が下落、上昇は12。売買代金上位ではディスコや三菱重工業、トヨタ自動車、日産自動車が安い半面、三菱UFJフィナンシャル・グループや楽天銀行は高い。資産効率の低い不動産を売却も含め見直す方針を社長が示した東京ガスも上げた。
債券
債券相場は中期債が下落。朝方発表の11月の東京都区部CPIが予想を上回ったことで日銀の利上げ期待が高まり、売りが優勢だった。2年債入札も低調に終わった。2年債入札のテール(平均落札価格と最低落札価格の差)は2月以来の大きさ。
一方、超長期債には最近の利回り上昇を受け、投資家から値頃感からの買いが入った。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券の鶴田啓介シニア債券ストラテジストは、2年債入札の結果は低調だったとした上で、東京都区部のCPIが予想外に強く、日銀による12月の「利上げを後押しする結果だったことも影響した」と分析。超長期債の上昇については「このところ40年債中心に弱かった反動だろう」との見方を示した。
関連情報:日本債券:2年利付国債の過去の入札結果(表)
新発国債利回り(午後3時時点)
--取材協力:田村康剛.
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Saburo Funabiki, Masahiro Hidaka, Alice French