「既婚者合コンにハマってます!」体の関係は求めない「50代主婦」が夢中になった「合コン」の闇とは
「大学生の娘には内緒ですが、夫は了承済みです。と言うのも、夫は美容関係の経営者。最近はひげ脱毛などのメンズエステにも力を入れているので、顧客獲得の手伝いをしているんです。 もちろん、参加者に営業はかけません。 ただ、既婚者合コンでは、必ずといっていいほど、パートナーの職業を訊かれるんです。その時には『美容関係で、メンズエステも手掛けているんです。最近は、男性のひげ脱毛が人気でびっくり』と伝える程度でしょうか。 さりげなく言うせいか、既婚者合コンで会った男性2人が来店してくれました。合コンで楽しめるうえ、主人のビジネスにも協力できるから、一石二鳥ともいえますよね」 何とも賢い立ち回りだが、トラブルもあるという。 「以前、参加した『A社』主催の合コンで知り合った男性・シンイチさん(仮名48歳・家電メーカー)と『G社』の合コンで再会したんです。 私はちょっと憂鬱になりました。 と言うのも、以前の合コンで話した際、『この後、2人だけで二次会に行かない?』と誘われて、断ってしまったからなんです。すでにLINEのIDを交換していたのですが、帰宅後も、 『今度、食事に行こうよ』『リサコさんの都合のいい日を教えて』とお誘いばかり。無視していたところにG社の既婚者合コンで再会してしまい、とても気まずい思いをしました」 リサコさんはその日、友人女性と2人で参加だったため、事情を話し、シンイチさんとはなるべく接触を持たないよう協力してもらったという。 「でも、私が化粧室に立った時、恐れていたことが起きました。その日の会場は複合施設内にあるレストランを貸し切っての開催で、化粧室は店を出てやや離れた廊下の突き当りにあります。メイク直しを終えた私が化粧室から出ると、シンイチさんが待ち伏せしていたんです。 悲鳴を上げた私に、シンイチさんは詰め寄り『なぜ、連絡をくれないんだ』『既読ムシかよ』と責め立てられ……慌てて化粧室に戻りました。すぐに合コン会場にいる知人女性にLINEをして、迎えに来てもらったんです。 助けに来てくれた知人女性を見るなり、シンイチさんは『男をバカにすんな』と捨てぜりふを吐いて……。楽しい気分が一気に台無しです。 しばらく化粧室で気持ちを落ち着かせ、知人女性と合コン会場に戻ると、シンイチさんの姿が見えません。 スタッフに訊いてみると、『体調が悪くなったから、帰る』とのことでした」 リサコさんは、プチストーカーになったシンイチさんが帰った安堵とともに、またどこかで待ち伏せされていたらどうしようという不安に包まれた。 「G社の既婚者合コンは、申し込みの際に『会いたくない人の名前』を記入する欄があります。なので、次回からはシンイチさんの名前を書くことにしました。今回は知人女性がいてくれて難を逃れましたが、本当に怖かったです。 単独参加の女性も多かったのですが、いざという時のためにも、友人と参加したり、今回のようにすぐにLINEで連絡を取って助けに来てくれる万全の態勢にしておくことも大事だなと思いました」 リサコさんは続ける。 「のちに分かったことですが、シンイチさんはG社の合コンでも『四天王』と呼ばれる迷惑客らしいです。気に入った女性に声をかけ、2人きりのデートに誘うナンパ目的の男性。 私は知人女性によって救われましたが、不快な目に遭った女性もゼロじゃないと思います」 念のため、スタッフには「執拗な誘い」「化粧室前での待ち伏せ」の件を伝えたという。 G社でも要注意人物であることを共有すると約束してくれた。 もちろん、楽しい出会いもある。 「『O社』の既婚者合コンでは、米国在住の日本人男性が出張で一時帰国の際に参加していたんですが、話題が豊富ですごく盛り上がりました。 アメリカでは既婚、未婚、バイセクシュアル、へテロ(異性愛者)などが入り混じって参加できるデートアプリがあり、奥さま公認で愛用しているそうです。彼とはLINEのIDを交換したので、日本に来る際はその日仲良くなったメンバーで集まろうという計画もできました」 自由で多様性のある国、アメリカのデートアプリには驚かされる。 後編では、さらに既婚者合コンで起こった「血も凍る事件」を紹介したい。 TEXT:蒼井凜花