「どういう動物なのかな」→検索結果に衝撃 人生をサイにささげる女性「これからも退屈することはないと思う」
1万頭の「折り紙サイ」に込められた意味
サイの角の末端密売価格は金と同じと言われ、1キロあたり1000万円ほどで取り引きされる。主にベトナムや中国の富裕層に需要があり、「万能薬」とけん伝されるが、科学的根拠はない。密猟には国際犯罪組織が関与し、アフリカの貧困問題も絡んでいる。 日本の動物園ではゾウと同じように大きい動物として人気のサイ。しかし、このままでは地球からサイが消えてしまうかもしれない。 「サイの悲惨な画像を見て、その意味を知り、到底そのようなことは認められない。今でもそのことを毎日思って、それが原動力になっています」 日本で密猟問題を知る人は少ないが、海外では著名人が野生動物の保護に積極的にかかわっている。特に英国王室は熱心で、ウィリアム皇太子はケニアにあるサイの保護区でプロポーズした。ヘンリー王子も長年サイの保護活動に従事している。 今泉さんは個人ブログを開設し、情報発信を始める。サイの密猟が主に行われているのはアフリカ大陸。特に南アフリカが最大のホットスポットだ。武装した密猟者と対峙したレンジャーが交戦の末、命を奪われることもある。こうしたサイの密猟にまつわるニュースを日本語に翻訳し、少しでも現実を知ってもらう狙いがあった。 2014年、「アフリカゾウの涙」のメンバーになると、動物園に企画書を出し、各地でイベントやワークショップを開催。16年からは1年間に密猟されたサイの数と同じ“折り紙サイ”を作って展示した。「とにかくサイがこんなにたくさん密猟されているっていうことを知ってもらいたい気持ちが強くて、どうしたら効果的に伝えられるか真剣に考えた」。最初はYouTubeを何十回も見て作っていたが、今では1頭あたり2~3分で仕上げる。「並べると迫力がある。実際にびっくりしてくれる」。同じように見える折り紙サイだが、「一つでも同じもののないように、お腹に柄の違う紙を入れています」。ここ15年で密猟されたサイは1万頭以上。今泉さんも協力してくれる知人と1万頭以上の折り紙サイを作った。 「最初の頃に比べたらサイに関心を持ってくれたり、知識のある人が増えてきた。あとは動物園が協力的になってくれた感じがしますね。サイに関してのイベントの後に密猟に関しての掲示を出してもらうこともあるし、飼育員の人が積極的に考えてくれたり、取り組みの仕方がよくなってきた実感はあります」