【特集】「駐車スペースが足りない」“2024年問題”の裏で勃発する休憩所争奪戦!『働き方改革』で改善された社員の分は業務委託に…ドライバーに立ちはだかる“新たな壁”と“法の抜け穴”
さらに、別の家でも…。 (浦島さん) 「いないかな…。不在票書くか…」 Q.いなかったですか? 「いなかったです、つらい…つらいです」
配達員の労働時間を増やす大きな要因の1つになっているが、『再配達』です。近年では『置き配』も増えていますが、荷主業者によっては“盗まれるリスク”を鑑みて、推奨していないところも多いといいます。 (浦島さん) 「ちょっとリスクがあるな、と。よく電話で『置き配しておきましょうか?』と聞いたら、『ちょっと不用心やし』と言う方も中にはおられるので、そこは怖いかなと思います」
午後5時、一本の電話が入りました。 Q.何の電話ですか? (浦島さん) 「今のは、ドライバーさんとのやり取りです。社員のドライバーさんがもう帰るので、再配達で戻った荷物を僕らが全部引き継いで、夜で回ります。今から、それを貰いに行きます」 実は、この4月から残業時間の上限が設けられたのは、社員のドライバーだけ。浦島さんは“業務委託”ドライバーのため、今回の時間制限は適用されません。いわば、法律の“抜け穴”です。
(『万事屋うっちゃん』内田巧代表取締役) 「会社には150名ほどドライバーが在籍しているのですが、もし業務委託ドライバーにも規制がかかったとすると、約1.5倍から2倍の人員を確保しないと、今いただいている荷量を運びきることはできないので、正直難しいかなと思います」 業務委託ドライバーは、今まで通り荷物を届けるための“最後の砦”です。
午後6時。車には、夜配送の約50個の荷物が追加されていました。浦島さんの勤務時間は、すでに11時間を超えています。
Q.結構、配りましたか? (浦島さん) 「1時間で大体30個ほどは、はけたと思います。朝に戻った荷物が夜に再配達希望がかかって、いつも夜の荷物が多くなることが多いんですけど、今日はそれがなかったので、だいぶ楽かなと思います」 浦島さんはこの日一日で、220個の荷物を運びきりました。
『時間通りに、すぐ届く』―そんな便利さと引き換えに厳しい環境に置かれてきた物流業界を、変えることはできるのでしょうか?消費者にも突きつけられている課題です。 (「かんさい情報ネットten.」2024年6月4日放送)
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