高校生がプールで撮った「青春」が日本一に「暑すぎない夏を表現したかった」
福井南月さん(静岡・磐田南高校3年)の写真作品「青い夏」を紹介します。澄み渡った青空の下、制服でプールに浮かぶ3人の高校生たち。夏らしく、「青春」を体現したようなこの写真は、2024年7月から8月にかけて開催された全国高校総合文化祭(清流の国ぎふ総文2024)の写真部門で最優秀賞の一つ・文部科学大臣賞を受賞しました。撮影した福井さんに、作品に込めた思いを聞きました。(文・写真 椎木里咲)
「涼やかな夏」を表現
―とても夏らしい作品ですね! テーマを教えてください。 「青春」や夏らしさを表現したくて撮りました。ただ、夏といっても表現したかったのは「暑すぎない夏」。プールの青が映え、涼やかな夏を表現しました。 プールに入ってくれたのは仲良しのクラスメートです。私の高校はクラス替えがないので、3年間同じクラス。お願いしたらとても協力的で、「思いっきり入って!」というリクエストにも応えてくれました。 ―楽しそうな様子が写真から伝わってきます。では、こだわった部分はどこですか? 構図です。プールのラインが放射線状になるように撮りました。楽しそうにプールに浮かぶ3人に注目してほしかったので、視線が自然と3人に向かうように誘導しています。
プール使用の許可取りでどきどき
―作品を作るうえで、難しかったことはありますか? 実は、作品を県コンクールと今回の全国大会で、作品のサイズを変えて印刷し直しているんです。写真はパネルに貼られて展示されるのですが、なかなか見え方がしっくりこなくて……納得できるまで、何回も大きさを変えて印刷しました。 ―撮影中、印象に残っているエピソードはありますか? 撮影前にプールを使う許可を取りに、体育の先生にお願いしにいったことです。あまり話したことがなく、怖い先生だと思っていたのでどきどきしました。でも、許可はあっさり出してくれましたし、その後も何かと気にかけてくれるようになりました。 ―上達のコツを教えてください。 上手な人の作品を見ることです。私は写真部の同期や先輩の作品を見て、技術を盗んでいます(笑)。
高校生新聞社