【特集】「駐車スペースが足りない」“2024年問題”の裏で勃発する休憩所争奪戦!『働き方改革』で改善された社員の分は業務委託に…ドライバーに立ちはだかる“新たな壁”と“法の抜け穴”
2024年4月からトラックドライバーの労働時間の規制が強化され、運送業界の働き方は激変。荷物が届かなくなることが懸念される『2024年問題』ですが、現状どうなっているのでしょうか?一方、国が決めた『休憩』を巡って“新たな壁”に悩むドライバーも…。『長距離ドライバー』『宅配ドライバー』それぞれに密着し、見えてきた実態と新たな課題とは―。 【動画で見る】物流業界の残業時間規制から2か月 ドライバーたちに密着して見えた現状と課題 物流業界の2024年問題
長距離ドライバーの負担抑える『中継輸送』、実情は4時間ノンストップで運転・トイレも行けず…国が『休憩時間』定めるも、肝心の駐車スペースが足りない⁉
今、物流業界全体で、大きな変化が起きています。 (「読売テレビ」山本真帆記者) 「この運送会社は4年前に買収され、古いトラックから新しいトラックに移行しつつあります」 大阪・四條畷市にある運送会社『トーワカーゴ』は2020年、大手企業から合併・買収される“M&A”が行われ、新しいトラックを増やす余裕が生まれました。新しいトラックは、これまで運転席の後ろにあった仮眠室を上部に取り付けることで荷台が広くなり、積める荷物の量が増えました。
この“M&A”の背景にあるのは、『物流の2024年問題』。これまで上限がなかった物流業界の時間外労働が、2024年4月から年間960時間に制限されたことで、消費者へ荷物が届かなくなることなどが懸念されています。
買収された旧『東和運送』では、送料が安く設定される中で利益を確保するために、ドライバーの労働環境が悪化していました。 (『東和運送』時代ドライバーだった『トーワカーゴ』・藤原多加子部長) 「今もし監査が入れば、一発アウトの会社だったかなと思います。『お客様の荷物を届けたい』という乗務員の気持ちは変わらないのですが、働く体制が…トラックの中でしか寝られず、とにかく走るのが仕事でしたので」 その状況を変えたのが、大手運送会社による買収でした。日本全国に120か所以上ある拠点を生かし、ドライバーの働き方を一変させました。
(『フジトランスポート』・川上泰生執行役員) 「この5年間で拠点は倍近くになり、トラックも増えていっている中で、輸送の効率化ができているのが我々グループの力になっています。これからの輸送は、『中継輸送』がキーワードになってくると思います」 『中継輸送』とは、中間地点でドライバーを交代する仕組みです。例えば、前日に荷物を乗せたトラックが山口県を出発し、翌日朝までに埼玉県へ届けるとします。しかし、残業時間に上限ができたため、中間地点の京都でドライバーを交代します。