小学教員倍率、5年連続で最低 2.3倍、中高も低迷
都道府県や政令指定都市の教育委員会などが2022年度に実施した公立小学校の教員採用試験競争率(倍率)は、全国平均で21年度より0.2ポイント低い2.3倍となり、5年連続で過去最低だったことが25日、文部科学省の調査で分かった。中高や特別支援学校などを含めた教員全体でも3.4倍で、最も低かった。 文科省は、大量採用時代の教員が退職を迎えて採用が増えたことなどを要因に挙げる。学校現場からは業務多忙化で教職を敬遠する学生が増えたとの見方がある。こうした状況が続けば教員不足や質低下につながり、中教審が働き方改革や給与改善による魅力向上の議論を進める。 自治体別では、小学校で最も低いのは秋田県と大分県の1.3倍。2倍を切ったのは、採用試験を合同実施した千葉県・千葉市を一つとして数えると計20自治体で、21年度より三つ多い。 22年度の小学校の総採用者は1万7034人で、過去最少だった99年度の4倍以上だった。一方、総受験者は10年前より2万人ほど少ない3万8952人にとどまる。