廃品回収といって家の中へ強引に入ろうとする業者が、実は「泥棒」で犯行の下見をしているって本当?
不用品処分にあたって、民間の廃品回収業者を利用する人もいるでしょう。しかし廃品回収業者の一部は、身分を偽った「泥棒」の下見ではないかといううわさを耳にしていて利用できていない方もいるようです。本記事では、本当に「廃品回収」と「泥棒」に関係があるのかを検証します。 ▼町内会費の支払いを拒否したら「今後ゴミを捨てるな」と言われた! 本当に従う必要はあるの?
「無許可の廃品回収」と「泥棒」に共通点はあるのか?
廃品回収サービスにまつわるトラブルは、無許可の廃品回収業者によって年々増加しているようです。全国の消費生活センター等へ寄せられた相談件数は、2021年度には2000件を超えました。 泥棒などの侵入犯罪に関して、警察庁「住まいる防犯110番」によれば、侵入者の中には「下見」を行うケースもあるとされています。 無許可の廃品回収業者と侵入者は、ともに違法性があるという点で共通しています。
下見を行う窃盗犯はあまり多くない
日本都市計画学会による「全国の被収容者を対象とした質問紙調査報告」によれば、下見を行った者は回答者総数の15.6%に過ぎませんでした。 犯罪者に過去に犯行を思いとどまった経験を尋ねると、半数~7割程度が「経験あり」と回答しています。理由としては「なんとなく」を除くと、「住民の目が気になったから」や「防犯カメラや防犯ベルなどの設備が気になったから」などを挙げています。 犯罪者が人目を気にしていることを考えると、人通りがなく、防犯カメラ等も設置されていない状態で、安易に見ず知らずの人を家に招くことはやめた方がよいでしょう。場合によっては、下見ができる許可をわざわざ与えているともいえるのです。
事例:「2万5000円のパック料金」が「25万円」に
消費者と廃品回収業者とのトラブルも増えています。トラブルの原因は、インターネットやチラシを見て消費者が認識した安価な料金と、作業開始後に実際に請求された高額な料金とに差があるためです。国民生活センターに寄せられた相談では、インターネット上では安価な料金であったのに、作業開始後に「25万円」を請求された事例などがありました。 このケースでは消費者は「早く部屋を出ねば」と焦っており、業者が提示した「クーリング・オフはできない」とした書面にサインもしてしまったようです。消費者側の事情による焦りやパニックを引き起こす状況に追い込むなど、不安定な心理状態につけ込んでいるようです。