俳優・仲野太賀ら注目クリエイター3人が“旅サークル”を結成! 活動をまとめた一冊の本の制作秘話に迫る
第一弾の舞台は「世界一美しい谷」ネパールの秘境、ランタン谷
―――阿部さんが旅先をネパールに決めたそうですが、どんな思い入れがあったのでしょうか? 阿部 今回行ったネパールのランタン谷は、なかなか旅本でも特集されてないし、まだ日の目を浴びてないような場所で、僕はそういうところ大好きなんですよ。あとは、ネパール地震があった時に家を建てるボランティアに行って、作品制作にも取り組んでいた場所という思い入れもありました。2人をどこへ連れて行きたいかなって考えていたら、最初にランタン谷が思い浮かびました。 仲野 この3人が初めてニューヨークで出会って、ネパールに行くと決まった後、僕は先に日本に帰国したんですよ。その飛行機に乗る直前に阿部ちゃんからメールが来て、「企画書できました!」みたいな。この旅を成立させるために、寝ずに企画書をつくっていたらしい。 阿部 それまでパワーポイントを使ったことなかったんですよ(笑)。でも、やっぱりやりたいと思ったら、やるまで諦めたくないタイプで。2人にはあんまりこういう話はしてないんですけど、自分がカメラ始めた時から「絶対にチャンスを逃さない!」って思ってやってきたんですよ。なにか船が流れてきたら、それを絶対にこっちに手繰り寄せるパワーをつけたいって。それまでに技術や実力を蓄えておこうって決めていたんですね。このネパール旅が決まった時に、「いまだ!」と思ったんですよ。いままでの経験や技術をここで使わず、どこで使うんだよって思ったくらい、これに全力をつくそうと思いました。 ―――職業もキャラも違う個性豊かな3人男旅に、笑いや涙が止まらないという読者の声も多くあります。この3人旅だからこそ感じるよさは? 仲野 フットワークの軽さじゃないですかね。本にも書いているんですけど、旅の始まりも3人で一緒に遊んだことがない状態で、いきなりニューヨークで会って。会えちゃったことでフットワークの軽さが立証されて、どこでも行けそうな雰囲気ができた。3人で予定を合わせて10日間の旅に3回も行くって、なかなか難しいことじゃないですか。実はすごい暇なんじゃないかっていう説もあるんですけど、あんまり言わないほうがいいと思って控えています(笑)。 上出 あとは、許容力ですかね。旅をしているといろいろトラブルも起きるけど、しょうがないかって全員が思えるからうまくいく。おかげで、どこで旅をしても、どうしたって面白くなる。 阿部 NGのラインも低いですよね。人ってグループになると嫌われたくないからかっこつけたり、発する言葉を考えるじゃないですか。この2人といる時は、本当に考えてないかな。もちろんちゃんと大切にするべきところもありつつも、家族と接するみたいな安心感がある。