停戦1週間、続く緊張 イスラエル「合意崩れればレバノン国家攻撃」
レバノンとイスラエルの停戦合意が発効してから4日で1週間を迎えた。合意後もイスラエル軍のレバノン南部への攻撃で連日のように死者が出ており、2日にはイスラム教シーア派組織ヒズボラもミサイルで攻撃した。イスラエル側は空爆で応戦し、停戦は綱渡りの状態が続いている。 ヒズボラのミサイル攻撃をめぐり、イスラエルのカッツ国防相は3日、「ヒズボラが戻ってくることは許さない」と述べ、徹底して攻撃する構えを示した。地元メディア「タイムズ・オブ・イスラエル」が伝えた。カッツ氏は、合意が守られなければヒズボラだけでなくレバノン国家も攻撃する、とも主張した。 レバノン保健省によると、3日のイスラエル軍によるレバノン南部への攻撃で1人が死亡した。レバノン国営通信によると、4日もイスラエル軍の軍用車両がレバノン軍の検問所の近くに停車しており、緊張状態が続いている。 国連によると、停戦後、戦火を逃れて南部を離れたレバノンの国内避難民約58万人が南部に戻り始めている。しかし、イスラエル軍による住民の移動制限もあり、一部の住民の帰還は進んでいない。11月28日時点では約2万2千人が約400カ所の避難所に身を寄せたままだという。(今泉奏)
朝日新聞社