【選手権】帝京撃破の明秀日立、萬場努監督「本当に日本一になりたいと言えるようになってきた」
1月2日、第103回全国高校サッカー選手権の3回戦がUvanceとどろきスタジアム by Fujitsuで行われ、昨年のインターハイに続く全国制覇を目指す明秀日立(茨城)は帝京(東京B)を1-1(PK:5-4)で下し、準々決勝に進出した。 【フォトギャラリー】明秀日立 vs 帝京 前からハメに行く守備とゴール前で守る守備、それを的確に使い分ける。さらに攻め込まれていてもFW9保科愛斗(3年)を前線に残し、チャンスと見れば一気呵成にたたみ掛ける。そんな戦い方で前半を0-0で終えた明秀日立は、後半開始直後に先制ゴール。41分、明秀日立はCKからDF5菅野一葵(3年)のシュートのこぼれを拾ったMF8柴田健成(3年)が左足シュートをゴール右隅に沈めた。 狙い通りに先にスコアを動かした明秀日立はここぞとばかりに2点目を取りに行った。実際にFW10竹花龍生(3年)や菅野に2点目を決めるチャンスはあった。しかしここで仕留めきれなかったことで相手に反撃を許すことに。 「サブの選手があのクオリティであるってことが非常に驚異的で、フィットするのに時間が掛かってくれてよかったですが、機能し始めてからは最後は5バックにしないと耐えられないという判断で、後ろ重心でカウンターを狙う事に切り替えました。スキルは相当高かったです」と萬場努監督が振り返った通り、急激に明秀日立の運動量が落ちたわけではないが、帝京が切ってくるカードの1枚1枚が強烈だった。69分にその交代選手に同点ゴールを許すと、最後は5バックで何とか守り抜きPK戦に持ち込んだ。 それでも「GK1重松陽(3年)がいるのでキッカーが役割を果たしてくれれば1本はいけるんじゃないかと思ってはいました」指揮官も全幅の信頼を寄せる守護神が相手の2本目をシュートストップ。5-4でPK戦を制し明秀日立が激闘を制した。 昨年はインターハイで青森山田と静岡学園を撃破すると、そのまま頂点まで駆け上がり日本一に輝いた。そして全国2冠を目指し選手権に挑んだ中、この日と同日に同会場で近江にPK戦で敗れた。そんな先輩たちが悔しい想いをした舞台で後輩たちがリベンジを果たした。 これで明秀日立はベスト8に進出。選手権での過去最高成績に並んだ。勝てば国立という見えないプレッシャーも襲ってくる。 「歴史を創るって意味ではこういう場面(インタビュー)でも本当に日本一になりたいと言えるようになってきた。ただ、私たちの実力からすると一戦ずつコミットして戦っていかないとそこまで辿り着かないという自覚があるので、明日ちゃんとリカバリーをして明後日にどういう狙いを持って戦うか目線を合わせて。次勝たないとって思いは全員あるので、ここで満足するのは避けたい」 現実をしっかり受け止めながらも、「目標は日本一」と言っても違和感はない。それは実績と自信、両面で挑戦できる準備が揃ったということ。そして重松を筆頭にインターハイ優勝メンバーがいることも実に頼もしい。 1月4日に行われる準々決勝も場所は同会場。相手はホームの東海大相模だ。明秀日立が新たな歴史を創れるか、次戦も注目の一戦となる。 (文・写真=会田健司)