壮大な夢実現のため世界に挑戦のジュリアがマリーゴールド在籍を総括
【WEEKEND女子プロレス#27】
「私が(マリーゴールド)所属でいられる時間は短いかもしれない」。本連載「WEEKEND女子プロレス」第8回(2024年4月19日)でのコメントが現実になった。 【写真ギャラリー】マリーゴールド所属ラストマッチを終えたジュリア(写真:新井宏) 新団体マリーゴールド旗揚げに参画したジュリアは、かねてより噂されていた海外への挑戦を7・30後楽園ホールで正式発表。その後、短期集中型の「カウントダウン」に突入。8・19後楽園で桜井麻衣とラストマッチ、8・25新木場での全員掛け(各1分1本勝負)をもって、日本での活動に一応のピリオドを打ったのである。 「(海外挑戦は)自分にはわかっていたことなので」と、ジュリア。しかし、想定よりも早まってしまったために慌ただしい「カウントダウン」を強いられた。そのため、「木村花メモリアル」欠場も含め、やり残したこともたくさんあるだろう。 「カウントダウンとして5試合やったわけですけど、自分の出発が早まったことで消滅したカードもあるんですよ。そういう選手たちと試合で関われなかった。それはそれでひとつの物語というか、そう考えようとした部分もあったんですよね。特に(林下)詩美。マリーゴールドでシングルやりたかったけど、まだ実現していない。やるべきタイミングがあったかと言えば、そこまでいかなかったし…」 スターダムでもおこなわれなかった一騎打ち。とはいえ、ビッグカードだからこそ、Sareee戦がそうだったように最高の舞台と状況が求められる。 「いまの詩美に自分は物足りなさを感じているので、お互いがもっとでっかくなったときにやるのがいいんじゃないかなって。どうなるかはわからないけど、夢のかけらを置いていってもいいのかなとも思います。あえてまだ見たいものがあるという状態を作ってというか」 しかしながら、「カウントダウン」に参加できなかった選手たちのアピールにより、全員掛けでのエクストラマッチが実現。詩美はその最後で、1分間ジュリアと肌を合わせた。もちろん、これでお互いが納得するわけではない。ジュリアも「これはカウントしない」と苦笑する。詩美の前で現れたアイスリボンの藤本つかさにはあえて多くを語らず、「見ている人が思ったように、感じたようにとらえていただければ」と解釈をゆだねた。すべてに答えを出せば終わってしまう。ネクストがあるのが、プロレスなのだ。 ネクストと言えば、ジュリアが去った後もマリーゴールドは続いていく。短期間ではあるが、ジュリアはキャリアで初めて旗揚げを経験した。出場試合こそエクストラマッチを含め11試合にすぎないものの、この時間を彼女はどのように考えているのだろうか。元スターダム勢で臨んだ旗揚げ発表会見から振り返ってもらおう。 「(元スターダムの)5人に2人(高橋奈七永&石川奈青)を加えて7人。正直、これでカード組めるのかなと不安がありました。他団体やフリー、外国人選手が入ったところで大変だぞって」 ところが会見終了間際、アクトレスガールズを退団した5選手が風香に先導され登場、参戦を訴えた。 「アクトレスの子たちが来て、正直うれしかったです。パッと見たときに華やかだったんですよ。この5人によってすごく団体感が出てきて、マリーゴールド大丈夫だなって思いました。(ロッシー)小川さん、もってるなって(笑)」